こんにちは、化粧品製造販売会社の品質管理に勤めているあおいです。ドラッグストアなどのシャンプー売り場には、「無添加」「ノンシリコン」「アミノ酸系」と書かれたボトルが並んでいます。どれも良さそうに見えるのですが、何がどう違うのかと聞かれると、私も昔は答えられませんでした。
『ノンシリコンに変えたら髪がきしむようになって、自分には合わないんだと思って元のシャンプーに戻した』
調べていると、こういう声をよく見かけます。でも、髪がきしむのは、そのシャンプーが自分の髪に合っていないせいではありませんでした。
シャンプーの裏を見るようになって分かったのは、「無添加」が何を指しているかは商品ごとに違っているということです。
シリコンを入れていないという意味のこともあれば、合成香料や着色料のことだったり、防腐剤のことだったり。何も足していない、という意味ではありませんでした。
成分表のどこを見ればいいか
全成分表示は、配合量の多い順に並びます。シャンプーの場合、たいてい先頭には「水」が来ていることが多いです。
そして、そのすぐ後ろに来るのが、洗浄成分。ここでシャンプーの性格がだいたい決まります。
手元にあるボトルの裏は、こんな並びでした。
水、コカミドプロピルベタイン、ミリストイルメチルアラニン…
2番目、3番目に何が来ているか。そこだけ見る癖をつけると、「これは穏やかに洗うタイプだな」と見当がつくようになります。
洗浄成分は、大きく3つに分かれます。
アミノ酸系(〇〇グルタミン酸、〇〇アラニンなど)洗浄が穏やか。そのぶん泡立ちは控えめです。
ベタイン系(コカミドプロピルベタインなど)低刺激寄りで、他の成分と組み合わせて使われることが多いです。
硫酸系(ラウレス硫酸Naなど)泡立ちがよく、しっかり落ちます。「石油系」と呼ばれて避けられがちなのはこの系統です。
穏やかに洗う成分としっかり落とす成分
私は次の成分の名前をスマホに入れておいて、売り場でボトルの裏と見比べています。
穏やかに洗いたいとき
- ココイルグルタミン酸TEA
- ラウロイルメチルアラニンNa
- ココイルメチルタウリンNa
- コカミドプロピルベタイン
しっかり落としたいとき
- ラウレス硫酸Na
- ラウリル硫酸Na
- オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
これが水のすぐ後ろ、2〜3番目に来ていれば、そのシャンプーの性格はだいたい分かります。全部を覚える必要はなくて、「グルタミン酸」「アラニン」「タウリン」「ベタイン」という4つの言葉が入っていれば穏やか寄り、と思っておけば大丈夫です。
ノンシリコンにすると、何が起きるのか
シリコンには、髪の表面をなめらかにして摩擦を減らすという役割があります。髪同士がこすれるのを防いで、指通りをよくしてくれる成分です。
つまりノンシリコンにすると、その働きがなくなります。髪を洗ったあとにきしむのは、失敗でも品質のせいでもありません。そういう性質のものなんです。
私はこれを知らずに、「きしむのは、このシャンプーが自分の髪に合っていないからだ」と思っていました。実際はただ、なめらかにする成分が入っていなかっただけでした。
ノンシリコンのいいところ
- 仕上がりが軽い。根元がペタッとしにくい
- 髪をふんわり見せたい方には向いています
そのかわりに起きること
- 濡れた髪がきしむ。とかす時に引っかかりやすい
- 濡れた髪は摩擦に弱いので、無理にとかすと傷みの原因になります
- トリートメントやオイルで、別途なめらかさを補う必要が出てきます
「ノンシリコンだから良い」とは、単純に言えません。シリコンは、髪を摩擦から守る役割をしていた成分でした。
アミノ酸系の、いいところと弱いところ
穏やかに洗えるのがアミノ酸系のいいところです。ただ、穏やかということは落とす力もそのぶん控えめということでもあります。
- 泡立ちにくい。二度洗いが必要なこともあります
- スタイリング剤をしっかり使う日は、落ちきらないことがあります
- 価格は高めになりがちです
この弱点は、メーカー自身が商品説明に書いていることがあります。ある商品には、「ベタイン系にスルホン酸をブレンドした、弱すぎない適切な洗浄力」と書かれていました。
アミノ酸系だけでは物足りないから、別の洗浄成分を少し足している。正直に書いてあるほうが、私はむしろ信頼できると思っています。
防腐剤を抜くと、どうなるか
シャンプーは水がほとんどなので、防腐剤を減らせば当然、傷みやすくなります。
フェノキシエタノールや安息香酸Naといった成分が入っているのは、中身を守るためです。抜けば、開封後は早めに使い切ることになります。
浴室は湿気も温度もあるので、置き場所としてはなかなか過酷です。「無添加なら安心」と考えるより、何を抜いて、そのぶん何を引き受けるのかで見たほうが、実際の使い勝手に近くなると思います。
1回あたり、いくらになるか
毎日使うので、1本の値段より1回あたりで見るほうが実感に近いです。計算は、価格を使える回数で割るだけ。
1回に使う量の目安
- ショート … 約3ml
- ミディアム … 約5ml
- ロング … 約7ml
500mlのボトルなら、ショートで約160回、ミディアムで約100回、ロングで約70回分です。
1回あたりに直すと、こうなります。
| 価格(500ml) | ショート | ミディアム | ロング |
|---|---|---|---|
| 2,000円 | 約13円 | 約20円 | 約29円 |
| 3,000円 | 約19円 | 約30円 | 約43円 |
| 5,000円 | 約31円 | 約50円 | 約71円 |
穏やかに洗うタイプは泡立ちが控えめなぶん、二度洗いすると使用量が倍になります。そこまで含めると、思っていたより差が開くこともあります。
詰め替え用があるかどうかも見ておくと、2本目からの負担が変わります。
選ぶときに見ているところ
1. 洗浄成分の系統
水のすぐ後ろ、2〜3番目に何が来ているか。グルタミン酸・アラニン・タウリン・ベタインという言葉が入っていれば穏やか寄り。硫酸Naと書かれていれば、しっかり落とすタイプです。
毎日洗う方、カラーやパーマを繰り返している方は、穏やかなほうが負担になりにくい。スタイリング剤をしっかり使う方は、落ちきらないほうがかえって困ります。
2. シリコンの有無
ノンシリコンは仕上がりが軽いかわりに、きしみます。きしみを気にせず使いたいなら、シリコン入りを避ける理由はありません。ふんわりさせたいなら、ノンシリコン+別のトリートメントという組み合わせになります。
3. 続けられる価格かどうか
毎日のことなので、1回あたりで見ておくと失敗しにくくなります。穏やかなタイプは二度洗いになりがちなので、使用量が増える前提で考えます。
自分はどちらに近いか
ここまでを踏まえると、選び方は大きく2つに分かれます。
1. 洗浄をやさしくする
カラーやパーマを繰り返していたり、髪の乾燥が気になる方です。洗浄成分にアミノ酸系(グルタミン酸・アラニン系)が来ているものを選ぶと、穏やかに洗えるので、色落ちや乾燥の負担を抑えられます。
泡立ちは控えめなので、予洗いを丁寧にすると気になりにくくなります。
2. 仕上がりを軽くする
ふんわりさせたい方、根元がペタッとしやすい方です。ノンシリコンにすると仕上がりが軽くなります。
ただし洗ったあときしみます。毛先だけトリートメントで補う前提で選ぶことになります。
どちらが良いというものではなく、いまの髪の状態で決めていいと思います。
乾燥や色落ちが気になるなら
| 商品 | 価格 | レビュー | ショップ |
|---|---|---|---|
AFC 薬用 アミノ酸シャンプー 爽快柑 ボトル 500mL 無添加 【1世帯様 |
3,300円 | ★4.48(235件) | 品質本位の健康食品エーエフシー |
【公式】オルナオーガニック モイスチャー シャンプー & トリートメント & 各 |
8,920円 | ★4.63(1603件) | イルミルド公式ショップ |
ふんわりさせたいなら
| 商品 | 価格 | レビュー | ショップ |
|---|---|---|---|
サロンプレミアム シャンプー ボトル 300mL/レフィル(大容量) 500mL |
1,320円 | ★4.68(890件) | アテニア公式ショップ 楽天市場店 |
【モイストシリーズ】8 THE THALASSO エイトザタラソ シャンプー モ |
1,540円 | ★4.47(333件) | 公式ステラシード |
【4個セット】シャンプー トリートメント 詰め替え アミノメイソン 詰替え 詰替 |
4,840円 | ★4.77(532件) | 公式ステラシード |
アスタリフト スカルプフォーカス シャンプー 360mL 【FUJIFILM 公 |
2,398円 | ★4.57(417件) | FUJIFILM アスタリフト |
クラッセ ナチュラル オーガニック シャンプー バウンス 500ml 白髪 アミ |
5,060円 | ★4.30(1074件) | cosme-bito(コスメびと |
※本ページはプロモーションを含みます。
価格・在庫は取得時点のものです。
表の見方
商品名だけでは系統は分かりません。 「アミノ酸系」とうたっていても、泡立ちを補うためにベタイン系や他の洗浄成分を混ぜているものがほとんどです。
なので、気になったものがあれば商品ページを開いて、全成分表示の2〜3番目を確認してみてください。そこに何が来ているかで、アミノ酸系・ベタイン系・硫酸系のどれかが分かります。
レビュー件数が多いものは、それだけ情報が集まっています。「きしむ」「泡立たない」といった書き込みは、自分に合うかどうかを判断する材料になるので、目を通しておくと失敗が減ると思います。
選び分けの目安
◎ 髪をふんわりさせたい → ノンシリコンを。ただし、きしみを補うトリートメントとセットで考えるほうが安心です。
◎ とにかく指通りをよくしたい → シリコン入りを避ける理由はありません。摩擦を減らす役割を担ってくれます。
◎ カラーやパーマを繰り返している → 洗浄が穏やかなアミノ酸系を。泡立ちの控えめさは、予洗いを丁寧にすると気になりにくくなります。
◎ スタイリング剤をしっかり使う → 洗浄力のあるタイプを。落ちきらないほうが、かえって頭皮の負担になります。
◎ 買い置きしたい → 防腐剤を減らしたタイプは、開封後の期限が短めです。大容量より小さいサイズのほうが向いています。
おわりに
「無添加」も「ノンシリコン」も、それ自体は良し悪しの話ではありません。何を抜いているのか、抜いたことで何が起きるのか。見るのはそこだけです。
きしむのが嫌ならシリコンを避けない。ふんわりさせたいなら、きしみを別で補う。どちらを取るかというだけの話だと思っています。
この記事のまとめ
- 中身はほとんど水と洗浄成分。水のすぐ後ろ、2〜3番目を見れば性格が分かる
- グルタミン酸・アラニン・タウリン・ベタインなら穏やか寄り、硫酸Naならしっかり落とすタイプ
- ノンシリコンは仕上がりが軽いかわりに、きしむのは当たり前。避ける理由がなければシリコン入りでいい
- 毎日のことなので、価格は1回あたりで見ておく
まずは裏を返して、水のすぐ後ろに何が書いてあるか。そこだけ見てみてください。
なお、頭皮や髪に合わないと感じた時は使用を中止して、気になる症状が続く時は皮膚科でご相談ください。
成分は商品や製造時期によって変わることがあります。購入前に商品ページの表示をご確認ください。価格・在庫は取得時点のものです。使用感には個人差があります。
