こんにちは、化粧品製造販売会社の品質管理に勤めているあおいです。スーパーの味噌売り場には「無添加」と書かれたものが並んでいて、その隣には、ひとまわり安い、「無添加」と書かれていないものがある。
何が違って、この値段の差になるんだろう。
恥ずかしい話、私はけっこう長い間、分かっていませんでした。なんとなく良さそうだから無添加のほうを手に取る。でも理由は聞かれても答えられない。そういう買い方をしていたと思います。
毎日のように使うものなのに、選ぶ時だけは何も分かっていない。そのことに気づいてから、少し調べてみることにしました。
きっかけは、いつも通りパッケージの裏をのぞいた時でした。味噌って、原材料の欄がとても短い。短いからこそ、何が足されているかがすぐ見えてしまうんですよね。
めんつゆだと、原材料が7つも8つも並ぶことがあります。
そこと比べると、味噌の短さは際立ちます。
味噌の原材料とは
米麹、大豆、食塩
これだけなんですよね。豆味噌なら米麹が豆麹に、麦味噌なら麦麹に変わりますが、麹・大豆・塩という骨格は同じです。
大豆を蒸してつぶし、麹と塩を混ぜて、あとは寝かせておく。味噌は、何百年も前から、そうやって作られてきました。
味噌はもともと、材料が3つで足りる食べものなんです。
書き方は商品によって変わります。「米麹」が「米(国産)」や「米糀」になっていたり、「有機大豆」のように産地や栽培方法が添えられていたり。
たとえば「米(国産)、有機大豆、食塩」も、麹・大豆・塩の3つだけです。
並ぶ順番も、商品によって入れ替わります。米が先のものもあれば、大豆が先のものもある。原材料は多い順に書くので、これはどちらが多いかの違いです。
米が先なら麹の割合が高い味噌で、甘めに仕上がります。大豆が先ならその逆で、味が濃いめになります。
順番を見るだけで、その味噌の性格がだいたい分かるということです。
売り場で裏を見ていくと、本当にこの3つだけの商品があります。逆に言えば、これより長かったら何かが足されているということ。
足されるものは、味噌の場合だいたい4つでした。
味噌に足されているもの、4つ
酒精(しゅせい)
いちばんよく見かけて、いちばん誤解されやすいのがこれだと思います。
酒精はアルコールのことで、入れる目的は発酵を止めることなんです。
味噌って生きているので、放っておくと容器の中で発酵し続けます。そうすると炭酸ガスが出て、ふたがぷっくり膨らんでくる。お店に並んでいる間にそうなったら困るので、酒精を少し加えて落ち着かせる。
つまり酒精は、おいしくするためではなく、状態を保つために入っています。このことを知ってから、私は酒精に対する見方がずいぶん変わりました。
調味料(アミノ酸等)
うま味を足すためのもの。原材料名のスラッシュ(/)より後ろに書かれています。
だし(かつおエキス・昆布エキスなど)
いわゆる「だし入り味噌」です。お湯に溶かすだけで味噌汁になるので、朝のバタバタした時間には本当にありがたい存在。ただ、だしを自分で取りたい日には、味が重なってしまうことがあります。
ビタミンB2など
色が変わるのを抑える目的などで使われることがあります。
この4つのうち、売り場でいちばんよく見かけるのが酒精です。
だから「無添加味噌」と書かれているものの多くは、酒精が入っていないものを指しています。
「無添加=何も足していない」ではありません。何を足していないかは商品ごとに違います。結局のところ、パッケージの裏を見るのがいちばん早いんです。
無添加を選ぶと、何が変わるか
酒精の入っていない味噌には、いいところがあります。発酵が止まっていないので、買ったあとも味が育っていきます。同じ商品でも、買った直後と1か月後では香りが変わります。
麹と大豆と塩だけの味なので、だしを加えると汁の表情が変わります。かつおにするか、煮干しにするか、昆布にするか。それだけで別の一杯になる。
料理をする楽しみが増える、という言い方が近いかもしれません。
ただ、引き換えに気をつけることが2つあります。
1つ目は、味です。
原材料が3つだけということは、添加物も、だしも入っていないということ。お湯に溶かしただけだと、「あれ、なんだか味がしない」となります。
味噌が悪いのではなく、それまではだしの味を食べていたということなんですよね。だしパックでも、かつお節でも、煮干しでも。何か1つ足すだけで、いつもの味噌汁になります。
2つ目は、置き場所です。
酒精が入っていない味噌は、買ったあとも発酵が続きます。
- ふたが膨らんでくることがある
- 常温に置くと、色がだんだん濃くなる
- 風味も少しずつ変わる
なので基本は冷蔵庫に入れておくのが安心です。開ける前から要冷蔵、という商品もあります。うちの冷蔵庫はいつもパンパンなので、大きいサイズを買う時はちょっと考えます。
ふたが膨らむというのは、容器のふたが内側から押されて、少し盛り上がってくる状態です。
発酵で炭酸ガスが出るためで、ひどい時はふたを開けた瞬間に「プシュッ」と音がします。
色のほうは、買った時の明るい黄土色から、赤茶けた濃い色に変わっていきます。並べて比べると別の商品に見えるくらい、はっきり違います。
どちらも発酵が進んだだけで、傷んだわけではありません。そのまま食べられますし、味が濃くなったと感じる方もいます。
とはいえ初めて見ると、やっぱり驚きますよね。そこが気になる方には、あまり向かないかもしれません。
その点、酒精が入っている味噌は本当に安定しています。常温でも大丈夫。添加物がちゃんと仕事をしてくれているということだと思います。
どちらが良い悪いではなくて、手間を取るか、扱いやすさを取るか。その時の暮らしに合うほうでいいのかなと思います。
「無添加」表示のルールはどうなっているか
消費者庁が「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を作って、2024年4月から本格的に適用されています。
「無添加」と書くこと自体が禁止されたわけではありません。ただ、何が無添加なのか分からない書き方は見直しましょう、という整理がされました。これからは「酒精不使用」のように、何を使っていないのかを書く方向に進んでいくはずです。
買う側からすると、これはうれしい変化ですよね。それに原材料表示そのものは前からずっと同じなので、裏を見る習慣さえあれば、表のキャッチコピーに振り回されずに選べます。
結局、どこを見て選ぶか
1. 原材料が3つで終わっているか
麹・大豆・塩だけなら、何も足されていません。4行目から先に何かあれば、それが「足されたもの」です。
酒精が入っていれば発酵が止まっているので、常温でも安定します。
入っていなければ、冷蔵庫で保管して早めに使い切ることになります。
2. だしが入っているか
だし入りは、お湯と具だけで味噌汁になります。自分でだしを取る日は、味が重なるので避けたほうが無難です。
そのうえで、私が選ぶとしたら
味の違いを確かめたいなら、原材料が麹・大豆・塩だけのものを、小さいサイズで買います。
これをものさしにすると、ほかの味噌に何が足されているのかが分かるようになります。
冷蔵庫に余裕がないなら、酒精が入っていて常温に置けるもののほうが現実的です。
無理に無添加にすると、置き場所に困ってしまいます。
朝の時間がないなら、だし入りに頼ります。
手を抜いていることにはなりません。お湯と具だけで一杯になるのは、十分な理由です。
逆に、自分でだしを取る日はだし入りを避けます。
せっかく取っただしと味が重なって、どちらも分からなくなってしまうためです。
なお、味噌の原料は大豆で、麦味噌には麦が使われています。
大豆や小麦のアレルギーが気になる方は、原材料表示とアレルギー表示をご確認くださいね。
この見方で楽天を探すと、けっこう絞られました。
| 商品 | 価格 | レビュー | ショップ |
|---|---|---|---|
味噌 みそ 無添加 麹味噌 300g 国産米 味噌汁 天然醸造 生麹 手作り 糀 |
1,000円 | ★4.77(201件) | やまさ味噌こうじ店 楽天市場店 |
味噌 無添加 国産 大豆 国産 米 100% 赤味噌 マルマン 信州味噌 700 |
3,980円 | ★4.81(212件) | 丸萬醸造本舗(マルマン株式会社) |
味噌 無添加 国産 みそ 白味噌 赤味噌 信州味噌 700g×6 みそ 塩分控え |
3,980円 | ★4.79(165件) | 丸萬醸造本舗(マルマン株式会社) |
無添加 生みそ 500g袋入【お試し用】| 12割麹 中辛口みそ 味噌 みそ 蔵 |
1,000円 | ★4.42(140件) | 奥会津只見 目黒麹店 |
※本ページはプロモーションを含みます。
価格・在庫は取得時点のものです。最新の情報は各商品ページをご確認ください。
表の見方
商品名の「無添加」だけでは、何が入っていないかは分かりません。気になったものがあれば商品ページを開いて、原材料名が3つで終わっているかを見てみてください。
レビュー件数が多いものは、それだけ情報が集まっています。「ふたが膨らんだ」という書き込みがあれば、それは酒精が入っていない証拠でもあります。
おわりに
味噌の「無添加」は、多くの場合は酒精が入っていないという意味。そしてそれは、発酵が続くぶん少しだけ気をつけるということでもあります。
この記事のまとめ
- 原材料が麹・大豆・塩の3つで終わっていれば、何も足されていない
- 「無添加味噌」の多くは、酒精が入っていないという意味
- スラッシュ(/)より後ろが添加物。なければ添加物は使われていない
- 酒精なしは発酵が続くので、冷蔵庫で保管して早めに使い切る
今、うちの冷蔵庫には無添加のものと、常温で置ける酒精入りのものが両方あります。週末は前者、平日の朝は後者。使い分けるようにしてから、無理なく続けられるようになりました。
「いい味噌をひとつだけ選ばなきゃ」と思うとしんどくなりますが、場面で使い分けると考えると、ふっと気が楽になります。
次のお買い物の時、パッケージの裏の3つだけ、のぞいてみてください。たぶん、選び方が少し変わると思います。
原材料は商品や製造時期によって変わることがあります。購入前に商品ページの表示をご確認ください。価格・在庫は取得時点のものです。
