亜硫酸ナトリウムの危険性は？人体への影響・発がん性・食品一覧を解説

亜硫酸ナトリウムは、ワイン、ドライフルーツ、乾燥野菜などに使用される食品添加物で、保存料や漂白剤として色や風味を保ちます。

そんな中、亜硫酸ナトリウムには喘息患者のアレルギーや発がん性の懸念が一部で存在しています。

そこで本記事では、亜硫酸ナトリウムの危険性や人体への影響、発がん性の真偽、含まれる食品（ワイン、漬物など）を詳しく解説し、安心して摂取できるかを科学的に検証していきたいと思います。

亜硫酸ナトリウムとは？【食品添加物の原材料・用途・使用基準】

亜硫酸ナトリウムとは、食品の色や風味を保ち、保存性を高める食品添加物で、漂白剤、酸化防止剤、保存料として使用されます。主にワイン、ドライフルーツ、乾燥野菜などに添加され、細菌やカビの増殖を抑えます。

原材料は、硫黄を燃焼させて生成した二酸化硫黄を水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムと反応させて合成されます。食品グレードの高純度な白色粉末または結晶で、食品に安全に使用されます。体内では硫酸塩に変換され、尿で排出されます。

用途は多岐にわたり、ワイン（酸化防止、風味安定）、ドライフルーツ（レーズン、干し杏の色保持）、乾燥野菜（タマネギ、ニンジンの漂白）、果汁飲料、シロップ漬け果物、魚介加工品などに使用されます。食品の鮮度を保ち、消費期限を延ばします。

使用基準は、日本では食品衛生法により厳格に定められています。例えば、ワインで350mg/L以下、ドライフルーツで2,000mg/kg以下、乾燥野菜で500mg/kg以下とされ、微量使用が原則です。

亜硫酸ナトリウムの危険性は？体に悪いのか・体への影響について

亜硫酸ナトリウムの危険性は、通常の食品添加量では一般的に低いとされていますが、特定の体質の人には注意が必要です。

まず、亜硫酸ナトリウムが体に悪いのかと言いますと、厚生労働省やJECFA（FAO/WHO合同食品添加物専門家会議）は安全性を評価し、ADI（許容一日摂取量：体重1kgあたり0.7mg）を設定しています。

食品中の使用量（例：ワイン100-350mg/L）はこの範囲内で、体への影響は最小限です。

つまり体重60kgの成人の場合、42mgまで安全で、通常の摂取（ワイン1杯で15-50mg）では問題ありません。※「干し柿7〜10個」「ドライフルーツ40-50g」「ワイン1-2杯」が目安。

危険性として、喘息患者の5-10%が亜硫酸ナトリウムに過敏で、摂取により喘息発作、呼吸困難、頭痛、吐き気を引き起こす可能性があります。

体への影響としては、まれにアレルギー反応（皮膚発疹）や消化器症状も報告されますが、一般人では発生率は低いです。

適量なら体に悪い影響はほぼありませんが、敏感な人は原材料表示を確認し、亜硫酸ナトリウムの含有量をチェックすることが推奨されます。

亜硫酸ナトリウムに発がん性はある？

亜硫酸ナトリウムの発がん性に関する懸念は、科学的証拠に基づくと現時点でほぼ存在しないとされています。

発がん性について、動物実験やヒトの疫学研究で亜硫酸ナトリウムががんを引き起こす証拠は見つかっていません。IARC（国際がん研究機関）やNTP（米国国家毒性プログラム）でも発がん性物質に分類されていません。

主な健康リスクは、前述のとおり、喘息患者の5-10%でみられるアレルギー反応（喘息発作、呼吸困難）ですが、発がん性とは無関係です。適量使用なら安心となっているため、原材料表示を確認することで安全に摂取できます。

亜硫酸ナトリウムが使われている食品一覧

以下は、亜硫酸ナトリウムが一般的に使われている食品一覧です。

まとめ

亜硫酸ナトリウムはワイン、ドライフルーツ、乾燥野菜などに使用される添加物で、保存料・漂白剤として機能しています。

安全性は厚生労働省やJECFAが評価しており、ADI（0.7mg/kg体重）内で健康リスクはほぼないとされています。発がん性の証拠はありませんが、喘息患者の5-10%でまれにアレルギー反応があるため注意が必要です。

食品例はワイン、ドライフルーツ、果汁飲料、漬物、ジャムなどであり、適量なら人体への影響は最小限です。原材料確認で安心して摂取可能な添加物となっています。