保存料(添加物)の種類一覧|ソルビン酸・安息香酸・しらこなどの安全性や危険性

保存料は、魚介加工品、漬物、飲料などに使われる食品添加物で、腐敗を防ぎ保存期間を延ばします。

そんな保存料には「ソルビン酸」「安息香酸」「しらこたん白抽出物」などの種類があり、安全性危険性が気になる人も多いでしょう。

そこで本記事では、保存料の種類一覧、ソルビン酸・安息香酸・しらこなどの安全性や危険性を詳しく解説し、安心して摂取できるかを科学的に検証します。

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目次

保存料(添加物)の成分や目的とは?

保存料は、食品の腐敗や変質を防ぎ、保存期間を延ばす食品添加物です。魚介加工品、漬物、飲料などに使用され、品質を維持します。

成分は、天然または合成由来の抗菌・抗カビ物質です。主な成分には、

  • ソルビン酸カリウム
  • 安息香酸ナトリウム
  • プロピオン酸カルシウム
  • パラオキシ安息香酸エステル
  • ナイシン

などがあります。

保存料の目的は、食品の安全性を確保し、消費期限を延ばし、食品ロスを削減することです。

細菌やカビの増殖を抑え、風味、色、食感を保ちます。例えば、ワインでは保存料が酸化を防ぎ、ジャムではカビ発生を抑制します。

保存料(添加物)の種類一覧

以下は、一般的に使用される保存料の種類一覧で、天然または合成由来の成分が含まれます。

※ADI(1日許容摂取量)

ソルビン酸カリウム
  • 特徴: カビ・酵母に強い、酸性環境で効果的。
  • 使用例: ワイン、チーズ、ジャム、魚介加工品。
  • ADI: 25mg/kg体重。
  • 特性: 熱に強く、風味への影響が少ない。
安息香酸ナトリウム
  • 特徴: 細菌抑制、酸性食品に適する。
  • 使用例: 清涼飲料水、漬物、ドレッシング。
  • ADI: 5mg/kg体重。
  • 特性: ビタミンCと併用でベンゼン生成の懸念(微量で安全)。
しらこたん白抽出物
  • 特徴: 魚由来の天然物質で、食品の風味を損ないにくい。
  • 使用例: 水産練り製品、豆腐、漬物、飲料。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 天然でアレルギー報告が少ない。
プロピオン酸カルシウム
  • 特徴: パン類のカビ防止に特化。
  • 使用例: 食パン、菓子パン。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: カルシウム供給源としても機能。
パラオキシ安息香酸エステル
  • 特徴: 広範囲の微生物抑制、安定性高い。
  • 使用例: 飲料、菓子、ソース。
  • ADI: 10mg/kg体重。
  • 特性: メチル、エチル、プロピルなど種類豊富。
ナイシン
  • 特徴: 天然抗菌ペプチド、ボツリヌス菌抑制。
  • 使用例: チーズ、肉製品、缶詰。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 乳酸菌由来で安全性高い。
デヒドロ酢酸ナトリウム
  • 特徴: カビ・酵母に強い、酸性環境で効果。
  • 使用例: 漬物、ジャム、菓子。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 風味への影響が少ない。
酢酸ナトリウム
  • 特徴: 酸味調整と防腐効果。
  • 使用例: 漬物、パン、飲料。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 天然酢酸由来で穏やかな効果。
ポリリジン
  • 特徴: 天然抗菌ペプチド、広範囲の微生物抑制。
  • 使用例: 肉製品、魚介加工品。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 安全性が高く、近年注目。
亜硝酸ナトリウム
  • 特徴: ボツリヌス菌抑制、肉の赤色保持。
  • 使用例: ハム、ソーセージ。
  • ADI: 0.07mg/kg体重。
  • 特性: 発色剤兼用、厳格な使用基準。
二酸化硫黄
  • 特徴: 酸化防止と漂白効果。
  • 使用例: ワイン、ドライフルーツ、干し柿。
  • ADI: 0.7mg/kg体重。
  • 特性: 喘息患者に注意。

これらの保存料は、食品衛生法で使用基準が定められ、現代では品質保持に不可欠となっています。気になる方は、原材料表示で「ソルビン酸K」「安息香酸Na」などと確認を。

各保存料(添加物)の安全性や危険性

ソルビン酸カリウム

ソルビン酸カリウムは、食品の腐敗を防ぐ保存料として使用される食品添加物で、カビや酵母、細菌の増殖を抑えます。以下で詳しく解説します。

特徴

ソルビン酸カリウムは、白色の結晶性粉末で、水に溶けやすく、酸性環境(pH4.5以下)で特に効果を発揮します。

天然にはロウン樹の果実などに存在し、合成でも作られます。熱や光に強く、風味への影響が少ないため、幅広い食品に適しています。

安全性

厚生労働省やJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)により安全と評価され、ADI(1日許容摂取量)は体重1kgあたり25mg。食品中の使用量(0.1~1g/kg)は微量で、体内で脂肪酸として代謝・排出されます。

単体での発がん性の証拠はなく、健康リスクは低いとされています。

危険性

通常の摂取では危険性はほぼありませんが、過剰摂取(ADIの数十倍)でまれに消化器症状(下痢、腹痛)が報告されます。

アレルギー反応(発疹、0.1%未満)も極めてまれ。適量なら安心とされていますが、原材料表示で確認を推奨します。

亜硝酸ナトリウムなど、他の食品添加物との組み合わせによって発がん性リスクが高まる可能性が指摘されているため注意が必要です。

安息香酸ナトリウム

安息香酸ナトリウムは、食品の腐敗を防ぐ保存料として使用される食品添加物で、細菌の増殖を抑えます。以下で詳しく解説します。

特徴

安息香酸ナトリウムは、白色の結晶性粉末で、水に溶けやすく、酸性環境(pH4.5以下)で特に効果を発揮します。

天然にはクランベリーやプラムなどに存在し、合成でも作られます。熱に強く、風味への影響が少ないため、飲料や漬物に適しています。

安全性

厚生労働省やJECFAにより安全と評価され、ADI(1日許容摂取量)は体重1kgあたり5mg。食品中の使用量(0.1~0.5g/kg)は微量で、体内で安息香酸とナトリウムに分解され、尿で排出されます。

単体での発がん性の証拠はなく、健康リスクは低いです。

危険性

通常の摂取では危険性はほぼありませんが、過剰摂取(ADIの数十倍)でまれに消化器症状(吐き気、下痢)が報告されます。

アレルギー反応(発疹、喘息、0.1~0.5%)が敏感な人や喘息患者で発生する可能性があり、ビタミンCと併用でベンゼン生成の懸念(微量で安全)も。単体且つ適量なら安心で、原材料表示で確認を推奨。

ビタミンCなどの酸と反応することで、微量の発がん性物質であるベンゼンが生成される可能性が指摘されています。そのため、安息香酸ナトリウムとビタミンCを同時に摂取する際は注意が必要です。

しらこたん白抽出物

しらこたん白抽出物は、魚類の白子(精巣)から抽出される天然由来の保存料で、グラム陽性菌や耐熱性芽胞菌を抑制します。以下で詳しく解説します。

特徴

しらこたん白抽出物は、塩基性タンパク質(プロタミン)を主成分とし、熱に安定で、pH調整効果もあります。

魚由来の天然物質で、化学合成ではなく、食品の風味を損ないにくいです。

微生物の細胞膜を破壊し、増殖を効果的に抑える特徴があります。

安全性

厚生労働省により既存添加物として承認され、ADI(1日許容摂取量)は設定されていません。

食品中の使用量(0.2g/kg以下)は微量で、体内でアミノ酸に分解され、代謝・排出されます。

発がん性の証拠はなく、健康リスクは低いです。

危険性

通常の摂取では危険性はほぼありませんが、過剰摂取(通常の数十倍)でまれに消化器症状(下痢)が報告されます。

アレルギー反応(発疹、0.1%未満)も極めてまれですが、魚アレルギーの人に注意が必要です。

適量なら安心で、原材料表示で確認を推奨。

まとめ

保存料は魚介加工品、漬物、飲料などに使用され、腐敗防止と保存性向上に役立つ添加物です。

種類一覧は「ソルビン酸カリウム」「安息香酸ナトリウム」「しらこたん白抽出物」などがあります。安全性は厚生労働省やJECFAが評価しており、ADI内で健康リスクはほぼないとされています。

また、単体摂取の場合は発がん性の証拠はなく、アレルギー(発疹、0.1~0.5%)はまれです。

一方、危険性として、「過剰摂取での消化器症状」や「他の食品添加物との併用で発がん性の危険」があるため、注意が必要です。

食品例としてはジャム、チーズ、ワインなどがあります。保存料は適量且つ単体なら安心とされていますが、気になる方は原材料確認をすると安心でしょう。

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