天然着色料は虫が原料?安全性・種類一覧・食品例を解説

天然着色料は、食品に自然な色を付与する食品添加物で、植物や虫から抽出されます。

やはり、天然着色料の原料が虫と聞くと驚く人も多いでしょう。

そこで本記事では、天然着色料の虫由来の現状、安全性、種類一覧、食品例を詳しく解説し、安心して摂取できるかを科学的に検証します。

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目次

天然着色料は虫が原料?安全性や表示名について

天然着色料は、植物、動物、鉱物から抽出された食品添加物で、食品に自然な色を付与します。消費者の自然志向に応え、清涼飲料水、菓子、加工肉などに使用されています。

しかし、一部の天然着色料の原料が虫由来であるため、驚きや抵抗感を持つ人もいます。以下で、「なぜ虫が原料なのか」「安全性」「表示名」を詳しく解説します。

虫が原料の天然着色料

天然着色料で虫が原料として使用されている現状は、主にコチニール色素とその派生形に限定されます。食品添加物としては、鮮やかな赤~ピンク色を付与し、ハム、グミ、ヨーグルトなどに使用されます。

現状として、虫由来の天然着色料は、コチニールカイガラムシ(メキシコや南米産)のメスから抽出されるカルミン酸が中心です。コチニール色素、カルミンが代表的で、日本では厚生労働省が使用を承認しています。

使用量は微量(0.01~0.5g/kg)で、2025年現在も食品業界で広く使用されています。他の天然着色料(ベニハナ色素、クチナシ色素など)は植物由来で、虫は原料に含まれません。

虫が天然着色料の原料に選ばれる理由としては、安定した鮮やかな色と効率的な生産性です。

コチニールカイガラムシは1gの色素を得るのに約70,000匹が必要ですが、赤色が熱や光に強く、合成着色料(赤色40号など)より自然な色合いを提供します。

古代アステカ文明から使用され、現代でも「天然志向」の需要に応えています。植物由来の赤色(ベニハナなど)は安定性が低く、虫由来がコスト効率と品質で優位なので、今も多くの商品で使用されているのです。

安全性

天然着色料の安全性は、厚生労働省やJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)により高く評価されています。

虫由来のコチニール色素は1日許容摂取量(5mg/kg体重)が設定され、食品中の使用量(0.01~0.5g/kg)は微量で、体内で代謝・排出されます。発がん性の証拠はなく、動物実験やヒト研究で健康リスクは確認されていません

植物由来(例:クチナシ色素)も1日許容摂取量の設定はなしまたは高値で安全です。安全性の懸念は、虫由来の心理的抵抗感やアレルギー(コチニールで発疹、0.1~1%)が主ですが、甲殻類やダニアレルギーの人は注意が必要です。

表示名

食品添加物の表示名は、食品衛生法に基づき明確です。虫由来の天然着色料は以下で表示されています。

  • コチニール色素: 「コチニール色素」「カルミン酸色素」「天然赤色4号」。
  • カルミン: 「カルミン」「カルミン酸」。

他にも、「着色料(コチニール色素)」などと表示される場合もあり、消費者がその存在と役割を理解しやすくなっています。

抵抗感がある人は植物由来を選び、原材料表示をチェックしましょう。

天然着色料で虫が原料の種類一覧

食品添加物で使用される虫が原料の天然着色料は、主にコチニールカイガラムシから抽出された色素です。以下で全てを箇条書きで詳しく解説します。

コチニール色素
  • 原料: メキシコや南米のコチニールカイガラムシ(虫)のメスから抽出されるカルミン酸。乾燥・粉砕し、アルカリ処理で精製。
  • 特徴: 赤~ピンク色、熱や光に強い。
  • 使用例: ハム、ソーセージ、グミ、ヨーグルト、清涼飲料水、ジャム、キャンディー。
  • 表示名: 「コチニール色素」「カルミン酸色素」「天然赤色4号」。
  • 安全性: ADI(1日許容摂取量)は5mg/kg体重。アレルギーリスク(発疹、0.1~1%)がまれ、発がん性なし。
カルミン
  • 原料: コチニール色素の精製版、同じ虫由来のカルミン酸。
  • 特徴: 赤色の純度が高く、油脂食品やコーティングに適する。
  • 使用例: チョコレートコーティング、糖衣菓子、デザート、錠剤菓子。
  • 表示名: 「カルミン」「カルミン酸」。
  • 安全性: コチニール色素と同等、微量使用で安全、発がん性なし。

虫由来の天然着色料はこれらに限定され、他の天然着色料(ベニハナ色素、クチナシ色素など)は植物由来などです。

虫が原料の天然着色料が使われている食品例

以下は、虫が原料の天然着色料が一般的に使用される食品例です。

  • 加工肉製品: ハム、ソーセージ、ベーコンの赤み付け。
  • 魚介加工品: かまぼこ、魚肉ソーセージ、たらこ、明太子のピンク色。
  • 菓子類: グミ、キャンディー、ゼリーの赤ピンク色。
  • チョコレート: チョココーティングや粒チョコのピンク色。
  • アイスクリーム: ストロベリーやチェリー味のピンク色。
  • ヨーグルト: いちごやベリー味の色付け。
  • ジャム: いちごジャム、チェリージャムの赤色。
  • 清涼飲料水: ピンク系ソーダ、果汁飲料の色調。
  • デザート: プリン、ムースの赤ピンク色。
  • スナック菓子: 赤いチップスやコーンスナックの着色。
  • 惣菜: ピザやサンドイッチのトッピング色。
  • 漬物: ピクルスや紅生姜の赤色強化。
  • ケーキ: デコレーションケーキの赤系クリーム。

天然着色料で虫が原料ではない種類一覧

以下は、虫由来を除く天然着色料の種類一覧です。

※ADI(1日許容摂取量)

ベニハナ色素(赤~オレンジ)
  • 原料: ベニバナの花弁(サフロール)
  • 使用例: ハム、ソーセージ、キャンディー、飲料。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 抗酸化作用、自然な赤色。
クチナシ色素(黄・青)
  • 原料: クチナシの実(クロシン、クロセチン)
  • 使用例: ゼリー、飲料、菓子。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 熱に強く、黄色や青色を提供。
アントシアニン色素(紫・赤)
  • 原料: ブドウ、紫キャベツ、ブルーベリー
  • 使用例: ヨーグルト、ジャム、ジュース。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 抗酸化作用、pHで色変化。
β-カロテン(オレンジ)
  • 原料: ニンジン、カボチャ、藻類
  • 使用例: アイスクリーム、飲料、マーガリン。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: ビタミンA源、健康機能。
ターメリック色素(黄)
  • 原料: ウコンの根茎(クルクミン)
  • 使用例: カレー、飲料、菓子。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 抗炎症作用、鮮やかな黄色。
スピルリナ色素(青)
  • 原料: 藍藻(スピルリナ)
  • 使用例: グミ、飲料、アイス。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 栄養価高く、ビーガン向け。
クロロフィル色素(緑)
  • 原料: ホウレンソウや緑藻の葉緑素
  • 使用例: ソーダ、ゼリー、菓子。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: デトックス効果、自然な緑色。
パプリカ色素(赤~橙)
  • 原料: パプリカの果実
  • 使用例: ソーセージ、菓子、飲料。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: ビタミンC源、抗酸化。
紅麹色素(赤)
  • 原料: 紅麹菌
  • 使用例: 豆腐、飲料、肉製品。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 発酵由来、赤色安定。
カロテノイド色素(黄~赤)
  • 原料: 藻類、植物
  • 使用例: シリアル、ジュース。
  • ADI: 設定なし。
  • 特性: 免疫向上、多色対応。

これらの天然着色料は虫由来のコチニール色素を避けており、植物や藻類由来で心理的安心感が高いです。

まとめ

天然着色料は植物や虫由来で、グミ、ヨーグルト、ハムなどに使用されています。

虫由来の天然着色料は、主にコチニールカイガラムシから抽出された色素で、安全性は厚生労働省やJECFAが評価しており、ADI内で健康リスクほぼないとしています。アレルギー(発疹、0.1~1%)まれです。

天然着色料で虫が原料ではない種類一覧としては、ベニハナ、クチナシ、アントシアニンなどがあります。

虫由来の天然着色料を避けるなら植物由来を選び、原材料確認で安心摂取が可能です。

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