防カビ剤（食品添加物）の人体への影響は？危険性・成分・種類を解説

防カビ剤は、レモン、オレンジ、グレープフルーツなどの柑橘類に使われる食品添加物で、カビを防ぎ保存期間を延ばします。

そんな防カビ剤ですが、人体への影響や危険性が気になる人も多いでしょう。

そこで本記事では、防カビ剤の成分、種類、人体への影響、危険性などを詳しく解説し、安心して摂取できるかを科学的に検証します。

防カビ剤（食品添加物）とは？【種類・成分・効果】

防カビ剤は、柑橘類（レモン、オレンジ、グレープフルーツなど）に使用される食品添加物で、カビの増殖を防ぎ、保存期間を延ばします。

種類としては、主に

などがあります。

イマザリルはアゾール系、OPPとジフェニルはフェノール系、TBZはベンゾイミダゾール系で、収穫後に果皮に塗布または浸漬されます。

成分は、化学合成の抗真菌剤です。イマザリルはイミダゾール環、OPPはフェノール化合物、TBZはベンゾイミダゾール構造、ジフェニルはビフェニル化合物。果皮に残留し、カビの細胞膜や酵素を阻害します。

効果は、カビ（ペニシリウム菌など）の増殖を抑制し、2～3ヶ月以上の保存を可能にします。柑橘類は輸入品が多く、長距離輸送でカビが発生しやすいため、防カビ剤が必須なのです。

また、果皮の品質を保ち、風味や色を安定させる効果があります。果肉への浸透はほぼなく、皮を剥けば影響は最小限とされています。

防カビ剤（食品添加物）の人体への影響は？危険性・安全性について

防カビ剤の人体への影響、危険性、安全性について詳しく解説します。

まず、防カビ剤の安全性としては、厚生労働省やJECFA（FAO/WHO合同食品添加物専門家会議）により高く評価されています。

前述のとおり、防カビ剤には、イマザリル、OPP（オルトフェニルフェノール）、TBZ（チアベンダゾール）、ジフェニルなどがあり、ADI（1日許容摂取量）が設定されています（例：イマザリル0.03mg/kg体重、OPP0.4mg/kg体重）。

食品中の残留量（例：イマザリル5mg/kg以下）は微量で、果皮に留まり、果肉への浸透はほぼありません。そして防カビ剤の人体への影響として、通常の摂取（1日1-2個の柑橘類）では健康リスクは低いです。

ただ、防カビ剤の危険性として、過剰摂取（ADIの数十倍）で消化器症状（下痢、腹痛）が報告されることがあります。しかし実際のところ、柑橘類からの摂取ではこのレベルに達しません。

アレルギーリスクに関しては極めて低く、防カビ剤による発疹や過敏反応は0.1%未満となっています。喘息患者の5〜10%で過敏反応が報告される場合もありますが、食品経由の発生率は低いです。

一方で、OPP（オルトフェニルフェノール）など一部の防カビ剤成分は、安全データシートに発がん性の疑いや皮膚・眼への影響の可能性が記載されていることもあるので注意が必要です。

防カビ剤の人体への影響をまとめると

となります。

防カビ剤の使用状況としては、輸入柑橘類は長距離輸送でカビが発生しやすいため、防カビ剤が必須なのが現状です。一方で、国産は防カビ剤の使用が少なく、無添加が多いです。

安全性を高めるには、皮を流水で洗い、ブラシでこすり、厚めに剥くといいでしょう。重曹や酢水も有効とされています。

まとめると、防カビ剤は一部で危険性が報告されていますが、通常の基準内使用では安全性は確保されており、皮を剥けば残留はゼロと考えていいでしょう。

まとめ

防カビ剤は柑橘類に使用され、カビ防止に役立つ食品添加物です。

種類はイマザリル、OPP、TBZ、ジフェニルなどがあります。安全性としては、厚生労働省やJECFA（FAO/WHO合同食品添加物専門家会議）が評価しており、ADI（1日許容摂取量）内で健康リスクはほぼないとされています。

ただし、防カビ剤の危険性として、過剰摂取での消化器症状やアレルギー（発疹、0.1%未満）がまれに発生しています。

また、一部の防カビ剤成分では、安全データシートに発がん性の疑いや皮膚・眼への影響の可能性が記載されていることもあるので注意が必要です。

食品例として、輸入のレモン、オレンジ、グレープフルーツなどが挙げられ、適量なら安心とされていますが、気になる方は原材料表示を確認し、できる限り避けると良いでしょう。