デキストリンの危険性は？体に悪いのか・体への影響・発がん性・アレルギーリスク・食品一覧を解説

デキストリンは、飲料や菓子、アイスなどに使われる食品添加物で、増粘・安定・食物繊維として機能します。

そんなデキストリですが、体に悪いのか、体への影響や発がん性、アレルギーリスクが気になる人も。

そこで本記事では、デキストリンの危険性、体への影響、発がん性の真偽、アレルギーリスク、含まれる食品一覧を詳しく解説し、科学的な視点から安心して摂取できるかを検証します。

デキストリンとは？【食品添加物の原材料・効果・使用目的】

デキストリンは、でんぷんを加熱や酵素で部分分解した食品添加物で、増粘剤、安定剤、賦形剤として幅広く使用されます。

原材料は、主にとうもろこし、じゃがいも、タピオカ、米などのでんぷんです。でんぷんを酸や酵素（α-アミラーゼ）で加水分解し、分子量を小さくして水溶性を高めます。

難消化性デキストリン（食物繊維として機能）は、さらに処理を加えて消化しにくくしたものです。

効果は、食品の粘度を調整し、滑らかな食感や安定性を与えることです。

ドレッシングでは分離を防ぎ、アイスでは氷結晶を抑制してクリーミーに。難消化性デキストリンは腸内で水分を保持し、便通を改善する効果があります。また、粉末飲料では固まりを防ぎ、溶けやすくします。

使用目的は、食品の品質向上と機能性付与です。

清涼飲料水、ドレッシング、アイスクリーム、菓子、インスタント食品、健康飲料（トクホ）に使用され、食感改善、保存性向上、血糖値上昇抑制（難消化性デキストリン）を実現します。

デキストリンの危険性は？体に悪いのか・体への影響について

デキストリンの危険性は、通常の食品添加量ではほぼ無視できるとされていますが、特定の体質や過剰摂取に注意が必要です。

デキストリンには、マルトデキストリン（消化性）と難消化性デキストリン（食物繊維）があり、厚生労働省やJECFA（FAO/WHO合同食品添加物専門家会議）により安全と評価されています。

ADI（1日許容摂取量）は設定されておらず、食品中の使用量（1～10g/kg）は微量で、体内で代謝・排出されます。マルトデキストリンは糖質として吸収され、難消化性デキストリンは腸内で発酵し、短鎖脂肪酸を生成して腸内環境を整えます。

デキストリンの体への影響として、通常の摂取では健康リスクは低いです。むしろ難消化性デキストリンは特定保健用食品（トクホ）として血糖値上昇抑制や便通改善効果が認められています。

ただ、デキストリンの危険性として、過剰摂取（1日50g以上、通常の数十倍）で消化器症状（下痢、腹痛、ガス）が報告されることがあります。これは難消化性デキストリンが腸内で発酵し、水分を引き寄せるためです。

デキストリンが体に悪いという懸念は、アレルギーリスク（でんぷんアレルギーの人、0.1%未満）や、マルトデキストリンの糖質による血糖値上昇が主ですが、通常量では問題ありません。

発がん性の証拠はなく、動物実験での懸念（高用量投与）はヒトでは確認されていません。体への影響は適量なら有益で、危険性は過剰摂取に限られます。

そのため、原材料表示で確認し、バランスの良い食事を心がければ安心と言えるでしょう。

デキストリンの発がん性について

デキストリンの発がん性に関する懸念は、科学的証拠に基づくと現時点でほぼ存在しないとされています。

発がん性について、動物実験やヒトの疫学研究でデキストリンががんを引き起こす証拠は見つかっていません。IARC（国際がん研究機関）やNTP（米国国家毒性プログラム）でも発がん性物質に分類されていません。

難消化性デキストリンは特定保健用食品（トクホ）として血糖値抑制効果が認められ、健康に有益です。

デキストリンのアレルギーリスクについて

デキストリンのアレルギーリスクは、通常の食品添加量では非常に低いとされていますが、特定の体質の人には注意が必要です

アレルギーリスクとして、デキストリンの原材料であるとうもろこし、じゃがいも、小麦などにアレルギーを持つ人（約0.1%未満）で、まれに発疹、かゆみ、消化器症状が報告されます。

特に、とうもろこしアレルギーや小麦アレルギーの人は、デキストリンに反応する可能性がありますが、精製過程でアレルゲンが大幅に除去されるため、発生率は低いです。難消化性デキストリンは食物繊維として腸内環境を整える効果があり、アレルギーリスクはさらに低いとされます。

食品中の使用量（1～10g/kg）は微量で、アレルギーリスクは合成添加物（例：安息香酸ナトリウム）より低いです。そのため、デキストリンによる重篤なアレルギー（アナフィラキシー）はほぼ報告されていません。

アレルギー体質の人は、原材料表示で「デキストリン」「難消化性デキストリン」と確認し、注意すれば安心です。

デキストリンが使われている食品一覧

以下は、一般的にデキストリンが含まれる食品一覧です。

まとめ

デキストリンは飲料、菓子、アイスなどに使用される添加物で、増粘・安定に役立ちます。

安全性は厚生労働省やJECFA（FAO/WHO合同食品添加物専門家会議）が評価しており、ADI（1日許容摂取量）設定なしで健康リスクはほぼありません。

デキストリンに関する発がん性の証拠はなく、体への影響は過剰摂取での消化器症状やアレルギー（発疹、0.1%未満）がまれに発生します。

食品例はヨーグルト、スポーツドリンク、冷凍食品などがあり、適量なら体に悪影響はありませんが、気になる方や敏感な方は原材料確認で避けると安心でしょう。