カラギナンの危険性は?体への影響・副作用・発がん性・食品一覧を解説

カラギナンは、プリンやヨーグルト、ハムなど幅広い加工食品に使われる食品添加物のひとつです。
海藻由来の天然成分である一方で、カラギナンに対して「体への影響」や「副作用」、「発がん性」に関する不安の声も少なくありません。
本記事では、カラギナンとは何かという基本情報から、危険性や体への影響、使用されている食品一覧までをわかりやすく解説します。食品選びの参考にしてください。
カラギナンとは?【食品添加物としての原料・効果・用途】

カラギナンとは、海藻の一種である紅藻類(こうそうるい)から抽出される多糖類で、主に食品添加物として広く利用されています。原料となるのは「スギノリ」「ツノマタ」といった海藻で、これらから抽出・精製してカラギナンが作られます。天然由来であることから、多くの加工食品に添加されており、食品の品質を安定させる重要な成分です。
カラギナンの主な効果は、「ゲル化」「増粘」「安定化」などです。たとえばゼリーやプリンでは、弾力のある食感を作り出し、飲料では沈殿を防ぐための安定剤として使われます。また、乳製品では成分の分離を防ぐ目的で使用されることが多く、食感や見た目の改善に貢献します。さらに、低カロリー食品にも適しており、カロリーを抑えつつ満足感を与えるために使われることもあります。
食品添加物としての用途は非常に広く、乳製品、菓子類、冷凍食品、缶詰、ハム・ソーセージなど、日常的に口にする多くの食品に使用されています。カラギナンとは、このように原料が海藻で、ゲル化や増粘といった効果を持ち、多くの食品に用途がある食品添加物なのです。
天然由来とはいえ、一部では安全性への懸念も指摘されているため、使用量や摂取頻度には注意を払うことが推奨されています。
カラギナンの危険性は?体への影響や副作用について
カラギナンの危険性や体への影響については近年さまざまな議論があります。特に気になるのが、消化器系への刺激や炎症との関係です。
カラギナンには大きく分けて「食品グレード(未分解カラギナン)」と「分解カラギナン(デグラデッドカラギナン)」の2種類があり、問題視されているのは主に後者の「分解カラギナン」です。これは、強酸などで処理された結果、分子量が小さくなり、腸に炎症を起こす可能性や発がん性が指摘されています。実際、動物実験では「分解カラギナン」の摂取により、大腸炎や腫瘍の発生が観察されたケースもあります。
一方で、食品添加物として使用されているのは「未分解カラギナン」であり、日本を含む多くの国で安全と認められています。しかし、長期的な摂取に対する安全性は完全には解明されておらず、体への影響として「腸内細菌バランスの乱れ」や「栄養素の吸収妨害」が懸念されています。特に消化器系が弱い人や乳幼児などは注意が必要です。
さらに、一部の消費者からは、カラギナンの副作用として「腹部膨満感」や「軽い下痢」「お腹の張り」などの不調を訴える声もあります。これはカラギナンが水分を吸収して膨張し、腸内に滞留することによる影響と考えられています。
このように、カラギナンの危険性については現在も研究が進められており、「安全性は高いがリスクゼロではない」というのが現状です。日常的に大量に摂取することは避け、できるだけバランスの良い食生活を心がけることが大切です。
カラギナンの発がん性
カラギナンの発がん性については、過去から現在に至るまで議論が続いています。
前述のとおり、カラギナンには「未分解カラギナン(食品用)」と「分解カラギナン(デグラデッド・カラギナン)」の2種類があり、発がん性が疑われているのは後者の「分解カラギナン」です。これは酸によって処理され、分子量が小さくなったもので、動物実験では腸に慢性的な炎症や腫瘍が見られたケースがあります。このため、国際がん研究機関(IARC)などでは、分解カラギナンに対する警戒が促されています。
一方、食品添加物として使用されているのは「未分解カラギナン」であり、現時点でヒトへの明確な発がん性の証拠は確認されていません。日本やアメリカ、EUなど多くの国では、食品グレードのカラギナンは安全と認められており、使用基準内での摂取に問題はないとされています。
しかしながら、一部の研究者や消費者団体は「未分解カラギナンでも消化過程で部分的に分解され、体内で発がん性のリスクがゼロとは言い切れない」と警鐘を鳴らしており、今後の研究結果によっては評価が変わる可能性もあります。よって、カラギナンの発がん性については、引き続き注意深く見守る必要があるといえるでしょう。
カラギナンが使用されている食品一覧

以下は、カラギナンが使用されている主な食品一覧です。
- プリンやゼリーなどのデザート類
- チョコレートムース、ホイップクリーム
- ヨーグルト、飲むヨーグルト
- 加工チーズ、スライスチーズ
- ハムやソーセージなどの食肉加工品
- 冷凍ピザやレトルト食品のソース
- 缶詰やレトルトのスープ・カレー
- ドレッシングやマヨネーズなどの調味料
- ノンデイリーの植物性ミルク(豆乳、アーモンドミルク)
- ペットボトルのカフェラテ、ココア飲料などの乳飲料系
これらの食品では、「とろみ」「なめらかさ」「液体と固体の分離防止」などの効果を目的に食品添加物としてのカラギナンが使用されています。特に乳製品やデザート系では、食感の調整に欠かせない存在です。
まとめ
カラギナンは天然由来の食品添加物として広く使用されていますが、一部では副作用や発がん性に関する懸念も報告されています。
特に腸への影響を示唆する研究もあり、摂取量や体調に注意が必要です。一方で、各国の規制機関は通常使用における安全性を認めています。
この記事では、カラギナンの体への影響や、使用されている食品の例についても紹介しました。過剰摂取を避けつつ、バランスの取れた食生活を心がけましょう。