二酸化硫黄の添加物の危険性や安全性は？人体への影響・発がん性・使用基準を解説

二酸化硫黄は、ワイン、ドライフルーツ、果汁飲料などに使われる食品添加物で、保存料や漂白剤として色や風味を保ちます。

そんな二酸化硫黄には、喘息患者のアレルギーや発がん性の懸念も。

そこで本記事では、二酸化硫黄の危険性や安全性、人体への影響、発がん性の真偽、使用基準を詳しく解説し、安心して摂取できるかを科学的に検証します。

二酸化硫黄とは？【食品添加物の原材料・効果・使用目的】

二酸化硫黄とは、食品の保存性を高め、色や風味を保つために使用される食品添加物で、漂白剤や酸化防止剤、保存料として機能します。主にワインやドライフルーツに使用され、ガス状または化合物（亜硫酸塩）として添加されます。

原材料は、硫黄を燃焼させて生成されるガスや、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの化合物です。これらは食品グレードで高純度に精製され、食品に安全に使用されます。

効果としては、細菌やカビ、酵母の増殖を抑え、食品の腐敗を防ぎます。また、酸化による変色や風味劣化を防止し、鮮度を保ちます。例えば、ドライフルーツでは黄色やオレンジ色を保持し、ワインでは酸化を抑えて味を安定させます。抗菌作用により、食中毒リスクも低減します。

使用目的は、食品の品質と保存性を向上させることです。ワイン、ドライフルーツ（レーズン、干し杏）、シロップ漬け果物、果汁飲料、乾燥野菜、魚介加工品などに使用され、消費期限を延ばし、食品ロスを削減します。

二酸化硫黄の危険性は？体に悪いのか・体への影響について

二酸化硫黄の危険性は、通常の食品添加量では一般的に低いとされていますが、特定の体質の人には注意が必要です。

まず、二酸化硫黄が体に悪いのかに関して、厚生労働省やJECFAは安全性を評価し、ADI（体重1kgあたり0.7mg）を設定しています。食品中の使用量（例：ワイン100-350mg/L）はこの範囲内であれば、体への影響は最小限となっています。

危険性として、喘息患者の約5-10%が二酸化硫黄に過敏で、摂取により喘息発作や呼吸困難、頭痛、吐き気を引き起こす可能性があります。体への影響としては、まれにアレルギー反応（皮膚発疹）や消化器症状も報告されますが、一般人では発生率は低いです。

ただ、敏感な人は原材料表示を確認し、二酸化硫黄の含有量をチェックすることが推奨されます。

二酸化硫黄に発がん性はある？

二酸化硫黄の発がん性に関する懸念は、現時点で科学的に明確な証拠がなく、通常の食品添加量では発がん性リスクはほぼないとされています。

発がん性について、動物実験やヒトの疫学研究で二酸化硫黄ががんを引き起こす証拠は見つかっていません。IARC（国際がん研究機関）やNTP（米国国家毒性プログラム）でも発がん性物質に分類されていません。

主な健康リスクは、前述のとおり、喘息患者の約5-10%でみられるアレルギー反応（喘息発作、呼吸困難）で、発がん性とは無関係です。

適量使用なら安心で、原材料表示を確認することで安全に摂取できます。

二酸化硫黄の安全性や使用基準は？

二酸化硫黄の安全性は、通常の食品添加量において高いとされており、使用基準も厳格に定められています。

使用基準として、日本では食品衛生法に基づき、二酸化硫黄（または亜硫酸塩）の使用量が食品ごとに制限されています。例えば、ワインでは350mg/L以下、ドライフルーツでは2,000mg/kg以下、乾燥野菜では500mg/kg以下と定められています。

前述のとおり、厚生労働省やJECFAは安全性を評価しており、ADI（体重1kgあたり0.7mg）を設定。体重60kgの成人の場合、42mgまでが安全範囲で、通常の食品摂取ではこの範囲内です。

二酸化硫黄が使われている食品一覧

以下は、二酸化硫黄が一般的に使われている食品一覧です。

まとめ

二酸化硫黄はワイン、ドライフルーツ、果汁飲料などに使用される添加物で、保存料・漂白剤として機能しています。

安全性は厚生労働省やJECFAが評価しており、ADI（0.7mg/kg体重）内で健康リスクほぼないとされています。発がん性の証拠はなく、喘息患者の5-10%でアレルギー反応がまれに発生します。

使用基準はワイン350mg/L以下など微量。人体への影響は通常量では最小限となっています。

原材料確認をすることで安心して摂取可能ですが、敏感な人は要チェックが必要と言えるでしょう。