ジブチルヒドロキシトルエンの危険性は？毒性・発がん性・アレルギー・食品一覧を解説

ジブチルヒドロキシトルエン（BHT）は、ポテトチップスやインスタントラーメン、食用油などに使われる酸化防止剤で、食品の品質を保ちます。

そんなジブチルヒドロキシトルエンですが、毒性や発がん性、アレルギーのリスクが気になる人も多いでしょう。

そこで本記事では、ジブチルヒドロキシトルエンの危険性について、毒性、発がん性、アレルギーリスク、含まれる食品一覧を詳しく解説し、科学的な視点から安心して摂取できるかを検証します。

ジブチルヒドロキシトルエンとは？【食品添加物の原材料・効果・使用目的】

ジブチルヒドロキシトルエンとは、食品の酸化を防ぐ食品添加物で、略称BHT（ブチル化ヒドロキシトルエン）と呼ばれます。白色の結晶性粉末で、無臭または微かな臭いがあり、脂溶性の高い化合物です。主に油脂食品の品質劣化を防ぎます。

原材料は、p-クレゾール（トルエンの誘導体）とイソブチレンをアルキル化反応させて合成されます。化学的に安定した芳香族化合物で、工業的に大量生産され、食品グレードの高純度品が使用されます。エタノールや油脂に溶けやすく、水には溶けにくい性質です。

効果としては、酸素やフリーラジカルによる自動酸化を抑制し、食品の変色、風味低下、栄養損失を防ぎます。1分子で2個のペルオキシラジカルを中和する抗酸化作用があり、他の酸化防止剤（トコフェロールなど）と併用すると相乗効果を発揮します。保存期間を延ばし、食品ロスを減らす点も重要です。

使用目的は、油脂含有食品の酸化防止です。ポテトチップス、インスタントラーメン、ガム、シリアル、食用油、加工肉、化粧品、医薬品、ゴム製品、燃料にも添加され、品質保持を目的とします。

ジブチルヒドロキシトルエンの危険性は？毒性・発がん性について

ジブチルヒドロキシトルエン（BHT）の危険性は、通常の食品添加量ではほぼ無視できるとされていますが、特定の懸念が議論されています。

まず、厚生労働省やJECFA（合同食品添加物専門家会議）は安全性を評価しており、ADI（許容一日摂取量）を体重1kgあたり0.3mgと設定しています。食品中の使用量（0.02g/kg以下）は微量で、通常の摂取では健康リスクは低いと言えるでしょう。

そしてジブチルヒドロキシトルエンの毒性について、動物実験で高用量（1g/kg以上）投与時に肝臓や腎臓への影響が報告されていますが、食品からの摂取ではこのレベルに達しません。例えば、体重60kgの人は1日18mgまで安全で、ポテトチップス1袋（50g）で約1mg程度です。

ジブチルヒドロキシトルエンの発がん性に関しては、動物実験で高用量時に肝臓腫瘍のリスクが示唆されましたが、ヒトでの証拠は不十分で、IARC（国際がん研究機関）は「発がん性の証拠なし」と分類しています。

また、ジブチルヒドロキシトルエンの危険性として、まれにアレルギー反応（発疹、かゆみ）が報告されますが、発生率は0.1%未満と低いです。

つまり、適量なら毒性や発がん性の心配は不要で、原材料表示を確認すれば安心して摂取できるとされています。

ジブチルヒドロキシトルエンにアレルギーリスクはある？

ジブチルヒドロキシトルエン（BHT）のアレルギーリスクは、通常の食品添加量では非常に低いとされています。

アレルギーリスクについて、ジブチルヒドロキシトルエンはまれに皮膚発疹、かゆみ、接触性皮膚炎などのアレルギー反応を引き起こす可能性があります。特に、化粧品や医薬品での皮膚接触で報告されるケースが多く、食品経由でのアレルギーはさらにまれです。

発生率は0.1%未満と低く、敏感な体質の人が反応する可能性がありますが、科学的証拠は限定的です。原材料表示を確認し、アレルギー体質の人は注意すれば安心と言えるでしょう。

ジブチルヒドロキシトルエンが使われている食品一覧

以下は、ジブチルヒドロキシトルエン（BHT）が一般的に使われている食品一覧です。

まとめ

ジブチルヒドロキシトルエン（BHT）はポテトチップス、インスタントラーメン、食用油などに使用される酸化防止剤です。

そんなジブチルヒドロキシトルエンの毒性は、高用量で肝臓影響が報告されますが、食品の微量（0.02g/kg以下）では問題なしとされています。

発がん性は人間で証拠不十分で、IARC（国際がん研究機関）は「証拠なし」としています。アレルギーもまれで発生率は0.1%未満と低いです。

食品例としては、スナック菓子、加工肉、シリアルなどがあり、安全性は厚生労働省やJECFA（合同食品添加物専門家会議）が評価、ADI（0.3mg/kg体重）内で安心としています。

原材料確認で安全摂取可能な食品添加物ですが、気になる方や敏感な方は出来るだけ避けるのも体のためでしょう。