タール色素は発がん性あり!12種類・食品一覧・お菓子・使用基準を解説

「タール色素は発がん性があるのか?」
そんな不安を抱く方も多いのではないでしょうか。
タール色素は、赤や青、黄色などの鮮やかな色をつけるために使われる合成着色料で、キャンディーやグミ、ジュースなど多くの食品やお菓子に使用されています。しかし、一部では「健康への影響」や「発がん性」が懸念されており、使用基準や安全性について関心が高まっています。
この記事では、日本で認可されている12種類のタール色素の特徴や発がん性、含まれる食品一覧、使用基準まで詳しく解説します。
タール色素とは?

タール色素とは、石油を原料として人工的に合成された合成着色料の一種で、食品や飲料、菓子、医薬品、化粧品などに幅広く使用されています。もともとは石炭から得られる「コールタール」を原料としていたことから「タール色素」と呼ばれていますが、現在では石油由来の原料が主流です。赤色や黄色、青色など発色が非常に鮮やかで、熱や光、酸に強く、製品の色を安定して保てるのが特徴です。
一方で、過去にはアレルギーや発がん性の懸念が指摘された色素もあり、日本では食品衛生法により使用が許可されている種類が限定されています。現在使われているものは安全性が評価されたものですが、摂取に敏感な人や子どもには注意が促されることもあります。
種類一覧
タール色素は、現在日本で食品添加物として使用が認可されているものは12種類あります。具体的には、
- 赤色102号
- 赤色104号
- 赤色105号
- 赤色106号
- 赤色3号
- 黄色4号
- 黄色5号
- 緑色3号
- 青色1号
- 青色2号
- 橙色5号
- 黒色1号
の12種類です。
それぞれ発色の特性が異なり、飲料、菓子、漬物、アイスクリーム、加工食品などで用途に応じて使い分けられています。
たとえば、赤色102号や赤色3号は鮮やかなピンクや赤に、青色1号や青色2号は清涼感のある青に、黄色4号や黄色5号はレモン色やオレンジ色に使用されることが多いです。いずれの色素も食品衛生法に基づいて安全性が評価され、使用量や用途に制限が設けられています。
タール色素の安全性・危険性
タール色素の安全性・危険性については、長年にわたりさまざまな議論がされています。食品に彩りを与える便利な添加物である一方で、健康への影響を懸念する声もあります。ここでは、安全性と危険性の両面からタール色素について詳しく解説します。
安全性
タール色素は、国際的な機関や国内の専門機関によって毒性や発がん性などのリスクが評価されており、現在使用が認められているものについては一定の安全性が確認されています。使用量や使用対象には厳しい規制が設けられており、基準を守っていれば健康への影響はほとんどないとされています。
ただし、体質によってはまれにアレルギー反応を起こすこともあるため、敏感な人は注意が必要です。
危険性
タール色素の危険性については、一部で健康への影響が懸念されています。特に、子どもの多動性やアレルギー反応との関連が指摘されており、欧米の一部の国では特定のタール色素の使用が禁止または制限されています。
また、過去の動物実験では高用量での摂取により発がん性が示唆された例もあります。ただし、日本では使用可能なタール色素は食品衛生法に基づいて厳しく管理されており、規定の範囲内で使用される限りは健康へのリスクは極めて低いとされています。とはいえ、アレルギー体質の方や子どもには注意が必要です。
タール色素は発がん性あり
タール色素の発がん性については、過去の動物実験などで一部の色素にリスクが指摘されたことがあります。特に高濃度で長期間摂取した場合、ラットなどで腫瘍の発生が見られたという報告がありました。そのため、欧米の一部では特定のタール色素の使用が制限・禁止されているものもあります。
しかし、日本で認可されているタール色素12種類については、食品安全委員会や国際的な評価機関によって安全性が検証され、適切な使用量であれば発がん性の懸念は少ないと判断されています。それでも、アレルギー体質の人や子どもなど、感受性の高い人が過剰に摂取することは避けるべきです。成分表示を確認し、バランスの取れた食生活を意識することが重要です。
タール色素のアレルギーリスク
タール色素には、一部の人に対してアレルギーリスクがあることが知られています。特に、タール色素の中でも赤色104号や黄色5号などは、皮膚のかゆみやじんましん、発疹などのアレルギー症状を引き起こす可能性があると報告されています。
また、子どもの場合には多動や集中力の低下との関連性が疑われることもあり、欧州では注意喚起がなされている色素も存在します。すべての人に影響があるわけではありませんが、アレルギー体質の方や敏感な子どもには注意が必要です。
日本では使用が認められているタール色素についても、食品ごとに使用量が規制されており、一般的な摂取量であれば問題は少ないとされていますが、症状が出た場合は医師の診断を受け、成分表示を確認する習慣が大切です。成分表示では「赤色◯号」や「青色◯号」などと明記されているため、気になる場合はラベルを確認してみるとよいでしょう。
タール色素が含まれている食品一覧

タール色素が含まれている食品は、主に加工食品やお菓子、飲料などの色味を鮮やかに見せる目的で使われています。
代表的な食品には、
- グミ
- キャンディー
- ゼリー
- アイスクリーム
- かき氷シロップ
- ジュース
- 炭酸飲料
などがあります。
また、
- 福神漬け
- 紅ショウガ
- たらこ
- 明太子
- 漬物
といった加工食品にも使用されることがあります。
さらに、
- カレー粉
- スナック菓子
- ケチャップ
などの調味料に使用される場合もあります。
タール色素が含まれているお菓子一覧
タール色素が含まれているお菓子には、色鮮やかで視覚的に楽しい商品が多くあります。代表的なものとして、
- グミ
- ゼリー
- ラムネ
- キャンディー(特に赤や青、緑などの鮮やかな色のもの)
- チューインガム
- マーブルチョコレート
- アイシングクッキー
などが挙げられます。
これらのお菓子では、タール色素を使用することで商品に強いインパクトを与えたり、フルーツやソーダ風味などのイメージを視覚的に表現したりしています。また、海外製のお菓子や駄菓子の中には、特に多くのタール色素を使用している製品もあります。アレルギー体質の方や小さなお子様がいる家庭では、お菓子を購入する際には食品表示を確認して選ぶことが大切です。
タール色素の使用基準
タール色素の使用基準は、食品衛生法に基づいて厳しく定められています。日本では12種類のタール色素が食品添加物として認可されており、それぞれに対して使用できる食品の種類や最大使用量が細かく規定されています。
例えば、菓子や清涼飲料水など特定の食品に限定して使用が認められており、過剰摂取を防ぐために含有量の上限が設けられています。これにより、日常的な摂取では健康への影響は極めて少ないとされています。
タール色素の1日摂取量
タール色素の1日摂取量は、国際的な基準であるFAO/WHO合同食品添加物専門委員会(JECFA)によって「1日摂取許容量(ADI)」として設定されています。ADIとは「一生涯にわたって毎日摂取しても健康に悪影響が出ないとされる量」で、体重1kgあたりの摂取量で示されます。たとえば、青色1号のADIは体重1kgあたり0〜12mgとされており、体重50kgの成人であれば、1日あたり最大600mgまでの摂取が安全とされています。
具体的な例として、青色1号を含む清涼飲料水が1本あたり約10mgのタール色素を含んでいると仮定すると、体重50kgの成人なら1日に60本以上を毎日飲まなければADIを超えることはありません。これは現実的には摂取しきれない量であり、通常の食生活でADIを超えることはまずありません。
ただし、子どもは体重が軽いため、少量の摂取でも影響を受けやすくなります。体重20kgの子どもの場合、青色1号のADIは240mgとなり、色素を多く含む食品を組み合わせて摂取すると、相対的に過剰となる可能性があります。したがって、特に小さな子どもやアレルギー体質の方は、食品表示を確認し、意識的に摂取量を管理することが望ましいといえます。
タール色素を気にしすぎるのは良いこと?
タール色素を気にしすぎることは、必ずしも良いとは限りません。確かに一部のタール色素にはアレルギー反応や子どもの多動性への影響が指摘されるなどの報告もありますが、現在日本で使用が認可されているものは、厳格な安全基準や1日摂取許容量(ADI)に基づいて管理されています。
通常の食生活で過剰摂取になる可能性は極めて低く、すべてを避けようとするあまり食事の選択肢が狭まり、ストレスになることもあります。一方で、体質的に敏感な人や子どもがいる家庭では、表示を確認する習慣を持つことは有効です。
重要なのは、正しい知識を持ち、必要以上に恐れず、バランスよく食品を選ぶ意識です。気にしすぎず、無関心にもならず、適度な意識が健康的な食生活につながります。
まとめ
タール色素は、食品やお菓子に鮮やかな色をつけるために使われる便利な添加物ですが、一部には発がん性やアレルギーリスクが指摘されているものもあります。日本では使用が認可されている12種類について厳しい使用基準が設けられており、通常の摂取量であれば健康への影響は少ないとされています。
ただし、特に子どもや敏感な体質の方は注意が必要です。日頃から成分表示を確認し、正しい知識をもってバランスよく食品を選ぶことが大切です。