二酸化チタンの発がん性は?体に悪いのか・危険性・お菓子・食品一覧を解説

二酸化チタンは、食品の見た目を美しく整えるために使われる白色の着色料(食品添加物)です。
しかし近年、「発がん性」や「体に悪いのか」という疑問の声が高まっており、安全性を気にする方も増えています。
本記事では、二酸化チタンの危険性や発がん性について科学的な視点から解説するとともに、どのようなお菓子や食品に使われているのか一覧で紹介します。食品選びの参考にぜひご活用ください。
二酸化チタンとは?【食品添加物・着色料】

二酸化チタンとは、主に白色の着色料として使用される無機化合物で、化学式はTiO₂です。自然界ではルチルやアナターゼなどの鉱石として存在し、白色度が非常に高いため、食品添加物としてはガム、砂糖菓子、ドレッシング、乳製品などに用いられています。
その目的は、食品の見た目を明るく美しくすることにあり、とくに「白さ」が品質と結びつく製品に多く使われます。食品添加物の分類上は「着色料」にあたり、日本では指定添加物として認可されており、使用量に制限はあるものの、基準に従って使えば安全とされています。なお、食品だけでなく化粧品や歯磨き粉、医薬品の錠剤のコーティング剤などにも広く使用されています。
近年はナノ粒子化された二酸化チタンの健康影響が議論されることもありますが、通常の食品用グレードでの使用においては、安全性が確保されていると考えられています。
二酸化チタンの発がん性は?体に悪いの?
近年、「二酸化チタンは発がん性があるのでは?」、「体に悪いのでは?」といった不安の声が増えています。
2021年、ヨーロッパの食品安全機関(EFSA)は、二酸化チタンに「遺伝毒性(DNAを傷つける可能性)」があるとして、食品添加物としての安全性を「保証できない」と判断しました。これを受けて、EUでは食品への使用が禁止されました。一方で、国際がん研究機関(IARC)は、二酸化チタンを「発がん性の可能性がある物質(グループ2B)」に分類していますが、これは主に粉状を大量に吸い込んだときのリスクであり、食べ物として摂取した場合の危険性については十分な証拠があるとはされていません。
日本では、粒子の大きな二酸化チタンが使われ、体内に吸収されにくく、そのまま排出されるとされています。つまり、現在の基準内での摂取であれば、二酸化チタンがすぐに体に悪いとは言い切れません。ただし、今後の研究によって評価が変わる可能性もあるため、過剰摂取は避けるのが安心です。
二酸化チタンの安全性・危険性
食品添加物として使用される二酸化チタンは、白色の着色料として多くの製品に使われています。しかし近年、その安全性や危険性について議論が高まっています。ここでは、最新の研究をもとに、安全性と危険性の両面から解説します。
安全性
二酸化チタンの、これまでの動物実験や毒性試験の結果では、通常の摂取量においては体内にほとんど吸収されず、安全性は高いとされています。特に食品添加物としての使用に関しては、各国の食品安全機関も一定の条件下での使用を認可しています。
危険性
二酸化チタンの危険性について近年注目が集まっています。特に粒子が非常に小さい「ナノ粒子」として使用される場合、体内に吸収されやすくなり、長期的な健康リスクが懸念されています。EUでは2022年に食品添加物としての使用が禁止されるなど、規制の動きも見られます。
一方で、日本では引き続き使用が許可されており、使用量にも制限はありません。そのため、安全性に関してはさらなる検証が求められています。消費者としては、成分表示を確認し、摂取量に注意することが望まれます。
二酸化チタンが使われているお菓子一覧

二酸化チタンは、白色を鮮やかに見せるために使われる食品添加物の着色料のため、特にお菓子類に多く使用されています。以下は、二酸化チタンが使われていることがあるお菓子の例です。
- ガム
(特に白い糖衣タイプ) - ミントタブレット
(フリスク、ミンティアなど) - ホワイトチョコレート
(コーティング剤として) - グミ
(白やパステルカラーの発色補助に) - マシュマロ
(白色を際立たせるため) - ビスケットやクッキー
(表面のアイシングなどに) - 飴
(特に白色やパステル系カラーのもの) - ドラジェ
(砂糖衣をつけたナッツやチョコ) - カラフルチョコ
(コーティングの発色調整に) - ケーキデコレーション用トッピング
(銀や白い粉末)
パッケージの原材料表示に「酸化チタン」や「二酸化チタン」と記載されている場合は、使用されている可能性があります。選ぶ際の参考にしてください。
二酸化チタンのグミやチョコレートは危ない?
二酸化チタンは、EUでは2022年に食品用途での使用が禁止されましたが、現在でも日本では一定の安全基準を満たせば使用が認められています。
そこで、日本で市販されている二酸化チタンが使用されたグミやチョコレートは基準を満たしており、すぐに健康被害が出る可能性は低いとされています。ただやはり、EUでは使用が禁止されていることもあり、気になる場合は原材料欄で「二酸化チタン」の記載をチェックし、避けることも可能です。
二酸化チタンが使われている食品一覧

お菓子以外では、以下のような食品に二酸化チタンが使用されています。
- 白い粉末スープ(インスタント)
- 加工チーズ
- ホワイトソース系レトルト食品
- 栄養補助食品(錠剤タイプ)
- 栄養強化用プロテインバー
- 健康食品サプリメント(コーティング剤)
- 医薬部外品に分類される栄養ドリンク
- 一部の冷凍食品(グラタンなど)
これらの食品では、二酸化チタンによって「清潔感」や「美味しそうな白さ」が演出されています。
まとめ
二酸化チタンは、食品添加物として広く使用されていますが、近年その発がん性や体への悪影響が懸念され、特にナノ粒子レベルでの安全性に議論があります。EUでは一部で使用が禁止されるなど、世界的に見直しの動きも見られます。
ただし、日本では現在も使用が認められており、一定の基準のもとで管理されています。お菓子や加工食品などに多く含まれているため、気になる方は原材料表示を確認するなど、意識的な選択が大切です。