亜塩素酸ナトリウム(食品添加物)の人体への影響は?安全性・危険性・食品一覧を解説
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亜塩素酸ナトリウムは、野菜や果物、魚介類の洗浄・殺菌処理に使われる食品添加物で、消費者の目に触れにくいながらも、日常的に私たちの食生活に関わっています。
一方で、亜塩素酸ナトリウムの「人体への影響」や「危険性」について不安の声もあり、安全なのかどうか疑問に感じる方も少なくありません。
本記事では、亜塩素酸ナトリウムの人体への影響や安全性、使用されている食品一覧について、最新情報をもとにわかりやすく解説します。
亜塩素酸ナトリウムとは?【食品添加物としての原料・効果・用途】

亜塩素酸ナトリウムとは、強い酸化作用をもつ無機化合物で、食品添加物として殺菌・消毒の目的で使用されます。無色または淡黄色の液体で、水に溶けやすく、特有の刺激臭を持ちます。原料としては、主に亜塩素酸と水酸化ナトリウムを反応させて製造されます。
この化合物の最大の効果は、微生物やウイルスに対する強力な殺菌力です。食品製造の現場では、野菜や果物、肉類、魚介類の洗浄・除菌などに使われることがあり、特に食中毒の原因菌(大腸菌、サルモネラ菌など)を不活化する手段として注目されています。除菌後には水で洗い流す処理を行い、残留を最小限に抑えることで安全性が確保されています。
また、亜塩素酸ナトリウムは食品中の雑菌やカビの増殖を防ぐ目的でも活用されるほか、近年ではその酸化作用を利用して水の浄化や食品工場内の器具・設備の消毒にも用いられることがあります。こうした用途により、食品の衛生管理において欠かせない添加物の一つとなっています。
ただし、直接食品に添加するのではなく、「洗浄や殺菌用」として使用されるケースが多く、使用後にしっかりと水で洗浄されることで、人体への影響が出にくいように配慮されています。
亜塩素酸ナトリウム(食品添加物)の人体への影響や危険性は?
亜塩素酸ナトリウムは食品に直接添加されることは少なく、多くは野菜や肉、魚介類などの洗浄・消毒に用いられ、使用後は水洗いで取り除く処理が行われます。しかし、取り扱いを誤ると人体への影響が出る可能性があるため、安全な使用が求められています。
具体的な亜塩素酸ナトリウムの危険性としては、濃度が高いまま体内に取り込まれた場合、粘膜や消化器系を刺激し、吐き気や腹痛を引き起こすことがあります。また、長期的に大量に摂取すると、酸化ストレスによる赤血球の障害(メトヘモグロビン血症)を引き起こす可能性が指摘されています。特に小児や腎機能の弱い人は影響を受けやすいため注意が必要です。
日本では食品衛生法に基づき、亜塩素酸ナトリウムの使用目的は「食品の洗浄・殺菌」に限定されており、「使用後のすすぎを行うこと」が義務付けられています。このため、適切に使用されている限りでは、食品に残留するリスクは非常に低く、食品添加物としての安全性は確保されています。ただし、過剰に使用されたり、すすぎが不十分な場合には、人体への悪影響が起こる可能性が否定できません。
つまり、亜塩素酸ナトリウムは非常に有効な食品添加物である一方で、その強い酸化力ゆえに人体への影響や危険性についても十分に配慮しなければならない物質です。消費者としては、過剰な摂取を避けるためにも加工食品の取り扱いや表示を意識することが大切です。
亜塩素酸ナトリウム(食品添加物)の安全性は?
亜塩素酸ナトリウムの安全性については、各国の食品衛生機関により評価されており、日本でも食品衛生法に基づいた使用基準が定められています。たとえば、処理後は残留しないよう十分に水洗いすることが義務づけられており、この条件を守れば安全性に問題はないとされています。
また、厚生労働省やFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)でも、限定的な使用条件下であれば健康リスクは低いとされており、適切な濃度と手順で使用する限りは人体への有害性はほとんどないと評価されています。
ただし、濃度が高い状態で摂取した場合には、粘膜への刺激や酸化ストレスによる健康被害が報告されており、業務用での取り扱いには注意が必要です。したがって、亜塩素酸ナトリウムの安全性は、その使い方と処理の確実性に大きく依存しているといえます。消費者の立場では、信頼できる製造・加工業者の製品を選ぶことが、安全な食品摂取につながります。
亜塩素酸ナトリウムが使われている食品一覧

亜塩素酸ナトリウムは、以下のような食品に使用されることがあります。
- カット野菜(サラダ用キャベツやレタスなど)の殺菌洗浄
- 冷凍野菜(ブロッコリー、ホウレンソウなど)の前処理
- 果物(リンゴ、ぶどう、メロンなど)の表面除菌
- 魚介類(エビ、貝類など)の除菌洗浄
- 豆腐・もやしなどの製造工程での衛生管理
これらの食品は、亜塩素酸ナトリウムで洗浄された後にしっかりと水洗いされるため、最終製品中に残留しないことが前提となっており、食品表示にも記載されない場合が多いのが特徴です。
まとめ
亜塩素酸ナトリウムは、食品の表面洗浄や除菌に使われる食品添加物で、最終製品に残留しないことを前提として安全性が評価されています。
ただし、高濃度での使用や不適切な管理が行われた場合には、人体への影響や危険性が懸念されるため、食品製造者側の適切な運用が重要です。
消費者としては、使用されている食品や加工工程を知ることで、より安心して食品を選ぶ参考になります。リスクと安全性の両面を理解して、正しい判断をしましょう。