カゼインナトリウムの危険性は?体に悪いのか・発がん性・アレルギーリスク・食品一覧を解説

カゼインナトリウムは、乳由来のたんぱく質であるカゼインを加工した食品添加物で、チーズやプロテイン製品、加工食品など幅広く使われています。
しかし、カゼインナトリウムに対して「体に悪いのか」「発がん性はあるのか」「アレルギーリスク」など、その安全性に不安を感じる方も少なくありません。
この記事では、カゼインナトリウムの特徴や危険性、人体への影響、食品一覧について、わかりやすく解説します。
カゼインナトリウムとは?【食品添加物としての原料・使用目的・用途】

カゼインナトリウムとは、牛乳に含まれるたんぱく質「カゼイン」をアルカリ処理して得られる水溶性のたんぱく質で、主に食品添加物として使用されます。原料は牛乳由来であり、カゼインにナトリウムを加えることで、水に溶けやすくしたものがカゼインナトリウムです。
高い乳化性、安定性、分散性を持つことから、さまざまな食品に使用されており、代表的な用途には、乳飲料、クリーム状食品、インスタント食品、ソーセージや冷凍食品などがあります。
カゼインナトリウムの大きな効果は、油分と水分を均一に混ぜ合わせる乳化作用に優れている点です。また、たんぱく質強化や粘性調整、泡立ちの安定化といった機能も持ち、食品の品質向上や保存性の向上に寄与します。さらに、食品以外にも医薬品や化粧品、栄養補助食品などにも利用されています。
乳由来のためアレルギー体質の人には注意が必要ですが、一般的には安全性が高く、広く使用されている食品添加物の一つです。
カゼインナトリウムの安全性
カゼインナトリウムの安全性は高く、多くの国の食品安全機関で使用が認められており、国際的にも一般的に安全とされている物質です。カゼインナトリウムは体内で消化・吸収され、他のたんぱく質と同様に代謝されるため、健康な人にとって特別なリスクは少ないとされています。
また、過剰に摂取した場合でも、通常の食品に含まれる範囲では大きな健康被害が起きる可能性は低いと考えられています。
総合的に見て、カゼインナトリウムの安全性は高いと評価して良いでしょう。
カゼインナトリウムの危険性は?体に悪いの?
カゼインナトリウムは栄養価もあり、プロテイン製品などにも広く使われている一方で、「危険性はないのか」「体に悪いのか」と心配する声も少なくありません。
まず、健康な人が通常の食品から摂取する程度であれば、カゼインナトリウムの危険性は極めて低いとされています。国際的にも食品添加物としての使用が認められており、摂取後は体内でアミノ酸に分解され、他のたんぱく質と同じように利用されます。そのため、カゼインナトリウムが一般的には体に悪いのかと問われれば「いいえ」と言えるでしょう。
しかし一方で、アレルギー体質の人にとっては注意が必要です。カゼインナトリウムは牛乳由来であるため、乳アレルギーを持つ人にとってはアレルゲンとなり得ます。ごく微量でもアレルギー症状を引き起こす可能性があり、重篤な場合にはアナフィラキシーショックを起こすこともあります。また、極端に加工食品ばかり摂ることで、必要以上に添加物が体に蓄積する可能性もゼロではありません。
総じて、カゼインナトリウムの危険性は限定的であり、健康な人にとっては体に悪いのかといえば問題はほとんどありません。ただし、乳アレルギーを持つ方や添加物に敏感な体質の方は、表示をよく確認し、摂取を控えることが大切です。
カゼインナトリウムの発がん性は?
カゼインナトリウムに対して、一部では「発がん性があるのでは?」という声もあり、その安全性について不安を感じる人もいます。
しかし、現時点でカゼインナトリウム自体に発がん性があるという科学的根拠は認められていません。日本をはじめ、欧米の食品安全機関(例えばアメリカFDAや欧州EFSA)でも、適切な量で使用される限り、カゼインナトリウムの発がん性についての懸念は示されていません。
この誤解の一因として、過去に「動物実験において高タンパク質食が腫瘍の増殖に影響を与える可能性がある」という研究結果があったことが挙げられます。しかし、これはカゼインナトリウムそのものの発がん性ではなく、極端な栄養バランスの影響によるものであり、通常の食生活において問題になることはありません。
したがって、カゼインナトリウムの発がん性については科学的な証拠が不足しており、一般的な摂取量では安全と考えられます。ただし、添加物全般に言えることですが、過剰な摂取は避け、バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。てください。
カゼインナトリウムのアレルギーリスクは?
カゼインは牛乳由来の成分であるため、アレルギーリスクがあることにも注意が必要です。
特に、乳製品アレルギー、なかでもカゼインアレルギーを持つ人にとっては、カゼインナトリウムの摂取がアレルギー反応を引き起こす可能性があります。アレルギー症状は軽度のじんましんや湿疹から、重度の場合は呼吸困難やアナフィラキシーショックに至ることもあるため、非常に注意が必要です。
市販のプロテイン食品や加工肉、乳飲料、スナック菓子、サプリメントなどにカゼインナトリウムが含まれていることがあり、乳アレルギーのある人は原材料表示をしっかり確認することが重要です。「乳成分」「カゼイン」「乳たん白」などの表記がある場合は注意が必要で、場合によっては摂取を避けるべきです。
一方で、健康な人が通常の食事で摂取する分には問題はなく、栄養価の高いタンパク質源としての役割もあります。したがって、アレルギーを持たない人には有益な成分ですが、アレルギー体質の方にとってはリスクのある食品添加物であると言えます。
カゼインナトリウムが使われている食品一覧

カゼインナトリウムは、特に加工食品や乳製品を中心に、さまざまな製品に使用されています。以下のような食品に含まれていることがあります。
- プロテイン飲料やプロテインバー
- 加工チーズやチーズフード
- インスタントスープやレトルト食品
- ホエイ入りのベーカリー製品
- 栄養補助食品やダイエット食品
- ソーセージやハムなどの加工肉製品
- 粉ミルクや育児用ミルク
これらの食品では、乳化剤・タンパク質補強剤・栄養補助成分としてカゼインナトリウムが活用されています。特に乳アレルギーを持つ方は、原材料表示の確認が重要です。
まとめ
カゼインナトリウムは、栄養補助や乳化の目的で多くの食品に使用されている食品添加物です。一般的には安全とされていますが、乳アレルギーのある人にはリスクがあり注意が必要です。
また、カゼインナトリウムに発がん性に関する明確な証拠は現在のところ報告されていません。摂取量や体質によって影響が異なるため、成分表示を確認しながら、適切に取り入れることが大切です。