ネオテームの危険性は?発がん性・安全性・お菓子・食品リストを解説

ネオテームは、非常に少量で強い甘みを持つ人工甘味料として、カロリーゼロや糖質オフのお菓子や飲料に広く使われている食品添加物です。
しかし、その「甘さの強さ」や「化学的な構造」から、発がん性や健康への影響について不安を抱く方も少なくありません。
本記事では、ネオテームの危険性や安全性をはじめ、発がん性の有無や使用されている食品リストまで詳しく解説します。
ネオテームとは?【食品添加物としての原料・効果・用途】

ネオテームとは、人工甘味料の一種で、非常に強い甘味を持つ食品添加物です。砂糖の約7,000~13,000倍もの甘さをもちながら、カロリーはほとんどゼロに近いため、ダイエット食品や糖質制限製品などに利用されています。
原料は、アスパルテームに類似した化学構造をもち、アスパラギン酸とフェニルアラニンの誘導体から合成されますが、フェニルケトン尿症の人にも安全とされている点が特徴です。
効果としては、甘味を加えるだけでなく、他の甘味料と組み合わせることで甘味の持続性を高めたり、味の調整役としても活躍します。また、加熱に強く、焼き菓子や加工食品など、製造工程で熱を加える食品にも適しています。
用途としては、清涼飲料水、ガム、菓子、デザート類、乳製品、冷凍食品など幅広い食品に使用されており、少量で強い甘さを得られるため製造コストの削減にも貢献します。さらに、血糖値に影響を与えない点から、糖尿病患者向け食品にも採用されています。
このように、ネオテームは食品添加物としての利便性が高く、健康志向のニーズにも応える存在として注目されています。使用量は極めて少なく、各国の安全基準を満たして利用されています。
ネオテームの危険性・発がん性
ネオテームは非常に強力な人工甘味料で、砂糖の7,000倍以上の甘さを持ちます。そこで、こうした人工甘味料に対しては、常に「危険性」や「発がん性」といった健康リスクが懸念されることがあります。
まず、ネオテームの危険性についてですが、現在のところ、国際的な食品安全機関(米国FDAや欧州EFSA、WHO/FAOの合同食品添加物専門家会議:JECFAなど)は、ネオテームの使用を安全と評価しており、発がん性を含む重大な健康リスクは認められていません。
ネオテームはアスパルテームを改良して作られた化合物であり、より安定性が高く、フェニルケトン尿症の患者にも安全とされる点で、従来の人工甘味料より優れた面もあります。
また、ネオテームの発がん性に関しては、動物実験などを通じて高濃度の摂取でも発がん性の証拠は確認されていません。JECFAではネオテームの一日摂取許容量(ADI)を「0.3mg/kg体重/日」と設定しており、これは通常の食品摂取からは到底超えないレベルであり、安全域が非常に広いとされています。
ただし、人工甘味料全般に言えることですが、一部の研究では腸内環境への影響や代謝異常との関連を指摘する声もあるため、過度な摂取は避けた方が無難です。現時点で科学的根拠に基づいたネオテームの発がん性の指摘はなく、使用基準を守れば危険性は極めて低いと考えられています。
ネオテームの安全性
ネオテームの安全性については、さまざまな国や機関で厳しく評価されており、米国食品医薬品局(FDA)、欧州食品安全機関(EFSA)、そして日本の厚生労働省も、適切な摂取量であれば健康への悪影響はないと判断しています。
ネオテームは、消化過程でごく微量のメタノールが生成されるものの、その量は人体に有害とはされないレベルであり、通常の果物や野菜に含まれるメタノール量よりも少ないとされています。また、アスパルテームと違い、フェニルアラニンを含まないため、フェニルケトン尿症(PKU)の患者にも使用が可能です。
このように、ネオテームの安全性は国際的にも認められており、長期摂取に関する試験でも発がん性や毒性のリスクは低いとされています。ただし、過剰な摂取は避け、バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
ネオテームの使用基準
ネオテームは、用途ごとに細かい使用基準が設定されています。たとえば、清涼飲料水や菓子類など、使用が許可された食品には、ネオテームの最大使用量がmg単位で定められており、その量を超えて使用することはできません。
また、ネオテームの使用基準は、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)やEFSAなどの国際機関の評価をもとに、安全な1日摂取許容量(ADI)が設定されており、日本でもこの基準に基づいた規制が行われています。適切に使用されている限り、健康への影響はないとされています。
ネオテーム使用のお菓子は食べない方がいい?
ネオテームを使用したお菓子は、一部では避けた方がよいという否定的な意見もあります。ネオテームは非常に強力な人工甘味料で、砂糖の7,000~13,000倍の甘さを持ち、使用量は微量で済むものの、化学的に合成された添加物であることから、長期的な健康影響に懸念を示す声もあります。
特に、加工食品やお菓子の常習的な摂取が習慣になっている場合、ネオテームをはじめとする人工甘味料の継続的な摂取により、味覚の過敏化や自然な甘みへの感受性の低下を引き起こす可能性があるとする意見もあります。また、一部では人工甘味料が腸内環境に悪影響を与える可能性や、代謝への影響を懸念する報告もあります。
そのため、健康意識の高い層の中では「ネオテームが含まれるお菓子はできれば避けた方がよい」という考え方があり、特に子どもや妊婦、高齢者などの敏感な層においては注意が促されています。そのため気になる方は、ネオテームを使用したお菓子は食べず、より自然な甘味料を使用した製品を選ぶことをおすすめします。
ネオテーム使用の食品リスト

ネオテームは、主に「低カロリー」や「糖質オフ」を謳う製品に使用されています。以下のような加工食品に含まれることが多いです。
- ノンシュガーやシュガーレスのキャンディ・ガム
- カロリーゼロや低カロリーの清涼飲料水(炭酸飲料・スポーツドリンクなど)
- ダイエット向けのゼリーやプリン、ヨーグルト
- 糖質制限系のクッキー・チョコレート菓子
- 人工甘味料入りの粉末飲料やスティックタイプの飲み物
- 一部の健康食品・栄養補助食品
- 高齢者・糖尿病患者向けの介護食・病院食
ネオテームは非常に微量で甘みを出せるため、成分表示の末尾に小さく記載されている場合があります。特に「人工甘味料(ネオテーム)」などの表記を確認することで、含有の有無を見極めることができます。
まとめ
ネオテームは多くの食品に使用される人工甘味料であり、安全性は各国の食品安全機関により確認されていますが、一方で否定的な意見や長期的な影響に対する懸念もあります。
ネオテームの発がん性の可能性は現時点で明確な証拠はないものの、慎重な判断が求められます。特にお菓子などの加工食品を選ぶ際は、成分表示を確認し、自分や家族の健康状態に応じて摂取を調整することが大切です。