サッカリンは体に悪い?発がん性・毒性・安全性・食品一覧を解説

サッカリンは、古くから使用されている食品添加物の一つで、カロリーゼロの人工甘味料として多くのダイエット食品や清涼飲料に利用されています。
しかし、サッカリンに対して「体に悪いのか」「発がん性はあるのか」「毒性のリスクは?」といった疑問の声もあります。
本記事では、サッカリンの基本情報から、安全性や危険性、どのような食品に含まれているかを分かりやすく解説します。
サッカリンとは?【食品添加物としての原料・効果・用途】

サッカリンとは、砂糖の数百倍の甘さを持つ人工甘味料であり、主に食品添加物として使用されます。原料は石炭から得られるトルエンなどの芳香族化合物を化学合成して製造されており、天然由来ではありません。カロリーがほとんどないため、ダイエット食品や糖尿病患者向けの商品に広く使われています。
効果としては、わずかな量で強い甘味を付けることができるため、経済的であり、砂糖の代替として利用されています。また、耐熱性があるため、加熱調理や製菓にも適しているという利点があります。ただし、甘味の後味に独特の苦味や金属的な味を感じる場合があるため、他の甘味料と併用されることも多いです。
用途は幅広く、清涼飲料水、低カロリー菓子、漬物、調味料、医薬品などに利用されています。特に和菓子や漬物では、少量で甘味を補う目的で重宝されています。
なお、使用量には制限が設けられており、過剰摂取しない限り健康への影響は少ないとされていますが、一部では安全性に対する議論も存在します。使用には注意と理解が求められる添加物です。
サッカリンは体に悪い?発がん性や毒性について
サッカリンは、非常に強い甘味を持つ人工甘味料で、カロリーがほとんどないことから、「サッカリンは体に悪いのか」という疑問を持つ人も少なくありません。実際に、かつてサッカリンは発がん性の可能性があるとして注目され、多くの議論が交わされてきました。
1970年代のカナダで行われた動物実験では、ラットに高濃度のサッカリンを長期間投与した結果、膀胱に腫瘍ができたという報告がありました。これにより、一時的にサッカリンの使用制限や警告表示が義務付けられたこともあります。この報告を受けて、サッカリンの発がん性を懸念する声が世界的に広がりました。
しかしその後、研究の進展により、この腫瘍発生はラット特有の代謝メカニズムによるものであり、人間には当てはまらない可能性が高いと評価されました。国際がん研究機関(IARC)も、かつてはサッカリンを「ヒトに対する発がん性がある可能性がある物質(グループ2B)」に分類していましたが、2000年にこの分類を解除し、現在では「発がん性の分類外」となっています。
また、一般的な使用量において毒性は極めて低いとされており、多くの国で使用が認可されています。ただし、サッカリンにアレルギー反応を示す人がまれにいるほか、過剰摂取は体に負担を与える可能性もあるため、注意が必要です。結論として、適量であればサッカリンは体に悪いとは言えず、現時点では発がん性や重篤な毒性の心配は低いとされています。
サッカリンの安全性・使用基準
サッカリンの安全性にはいまだに疑問の声が残っています。たしかに一部の機関では発がん性リスクが否定されたとはいえ、過去には膀胱がんとの関連が指摘され、一時的に禁止措置がとられた歴史もあります。
現在の使用基準ではごく微量の使用が認可されていますが、「使用できる=安全」というわけではありません。特に乳幼児や妊婦が摂取した際の影響に関する長期的な研究は不十分で、人体に与える潜在的なリスクがゼロとは言い切れません。
甘味料として他の天然由来成分も存在する中で、あえてサッカリンを選ぶ必要性は低く、避けるに越したことはないというのが否定派の考えです。
サッカリンが使用されている食品一覧

サッカリンは、以下のような食品に使われることが多いです。
- ダイエット用清涼飲料(無糖コーラやスポーツドリンクなど)
- 低カロリーや糖質オフのゼリーやプリン
- ノンシュガーガムやキャンディ
- 漬物(特に甘酢系や福神漬けなど)
- 缶詰(果物の甘味調整に使用)
- 一部の医薬品やサプリメントの甘味補助
- 業務用の人工甘味料入り調味料(たれ、ドレッシングなど)
サッカリンは単体で使用されることは少なく、アスパルテームやスクラロースなど他の甘味料と併用されることもあります。商品によっては「人工甘味料」または「サッカリンNa」として表示されます。
まとめ
サッカリンは、少量でも強い甘味を持つ食品添加物として幅広い食品に利用されています。過去には「発がん性」が疑われた経緯もありますが、現在では多くの国でその安全性が確認され、使用基準の範囲内での使用は問題ないとされています。
しかし、一部の人にとっては体に合わないこともあり、摂取には注意が必要です。表示を確認し、過剰摂取を避けることが安心の第一歩です。