アルギン酸ナトリウムの危険性は?発がん性・添加物としての用途・食品一覧を解説

「アルギン酸ナトリウムの危険性は?」そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。
アルギン酸ナトリウムは海藻由来の天然成分で、増粘剤や安定剤として多くの加工食品に使用される食品添加物です。一方で、「発がん性はあるのか?」「安全に使われているのか?」といった不安の声もあります。
この記事では、アルギン酸ナトリウムの基本情報や食品添加物としての用途、含まれる食品一覧、そして安全性と危険性について、最新の知見をもとにわかりやすく解説します。
アルギン酸ナトリウムとは?効果や食品添加物としての用途

アルギン酸ナトリウムとは、海藻に含まれる天然の多糖類で、増粘・安定・ゲル化といった特性を持ち、医療や食品など幅広い分野で活用されています。ここでは、その具体的な効果や食品添加物としての用途について詳しく解説します。
効果
アルギン酸ナトリウムは、水に溶けると粘り気を持つ性質があります。この特性により、食品や医療分野でさまざまな効果を発揮します。まず、食物繊維としての働きがあり、腸内環境の改善や便通の促進に役立つとされています。
また、体内でナトリウムやコレステロールの吸収を抑える効果があることから、高血圧や生活習慣病の予防にも期待されています。さらに、ゲル化や増粘作用を活かして、胃の粘膜を保護する目的で医薬品にも利用されるなど、アルギン酸ナトリウムは健康維持に幅広く貢献する成分です。
食品添加物としての用途
アルギン酸ナトリウムは、加工食品に広く利用されている食品添加物です。食品添加物としての用途は非常に多く、特に「増粘剤」「ゲル化剤」「安定剤」としての働きが注目されています。具体的には、ゼリーやプリンなどのデザート類、アイスクリーム、ドレッシング、ソース、練り製品などに使用され、滑らかな食感や均一な粘度を保つために役立ちます。
また、水分を保持する性質があるため、食品の乾燥や劣化を防ぐ目的でも用いられています。アルギン酸ナトリウムは植物由来で安全性が高く、ベジタリアン向けやアレルゲン対策食品にも適していることから、幅広い製品に使用されています。加工食品の品質を安定させるために欠かせない食品添加物としての用途を持つ成分です。
アルギン酸ナトリウムの安全性・危険性
アルギン酸ナトリウムは、食品や医薬品に広く使われている天然由来の食品添加物ですが、その使用に不安を感じる方もいるかもしれません。ここでは、科学的な根拠に基づき、安全性と危険性の両面から詳しく解説します。
安全性
アルギン酸ナトリウムの安全性は国際的にも高く評価されており、FAO/WHO合同食品添加物専門委員会(JECFA)では、1日摂取許容量(ADI)を「特定せず」とするほどリスクの低い物質とされています。
アルギン酸ナトリウムは体内でほとんど吸収されず、食物繊維として腸内環境の改善にも寄与します。さらにアレルギーの報告も少なく、子どもや高齢者が摂取しても問題がないとされており、実際に多くの食品や医薬品に使用されています。
適正な範囲で使用されている限り、アルギン酸ナトリウムの安全性について過度に心配する必要はないといえるでしょう。
危険性
アルギン酸ナトリウムは、一般的に安全性が高いとされる食品添加物ですが、過剰摂取や特定の体質によっては注意が必要です。通常の食品添加物としての使用量であれば問題ありませんが、大量に摂取した場合、まれに下痢や腹部の不快感を引き起こすことがあります。
また、体内でリンやカルシウムの吸収に影響を与える可能性があるという指摘もあり、特にミネラルバランスに敏感な人は注意が求められます。ただし、これらの危険性は極端な量を摂取した場合に限られ、通常の食生活でそのような状況になることはほとんどありません。
したがって、アルギン酸ナトリウムは適切な使用量を守る限り、危険性は非常に低いと考えられています。
アルギン酸ナトリウムの発がん性
アルギン酸ナトリウムの発がん性については、現在のところ科学的に明確な根拠はなく、安全性が高いと評価されています。FAO/WHO合同食品添加物専門委員会(JECFA)では、アルギン酸ナトリウムを長期間摂取しても健康への悪影響がほとんどないとされ、1日摂取許容量(ADI)も「特定せず」としており、これは極めてリスクが低い物質に与えられる評価です。
これまでの動物実験や疫学的調査においても、発がん性を示す明確なデータは報告されておらず、通常の食事で摂取される量ではがんの原因となる可能性は極めて低いとされています。そのため、アルギン酸ナトリウムの発がん性について過度に心配する必要はなく、使用基準に従って摂取している限り、安心して利用できる添加物といえます。
アルギン酸ナトリウムが含まれている食品一覧

アルギン酸ナトリウムは、以下のような加工食品によく含まれています。
- ゼリー、プリン、寒天風デザート
- アイスクリーム、シャーベット
- ヨーグルト、乳飲料
- ドレッシング、ソース、マヨネーズ
- 練り製品(かまぼこ、ちくわなど)
- 冷凍食品(グラタン、コロッケのソースなど)
- 中華まん、洋菓子
- 栄養補助食品やサプリメント
- 医薬品の錠剤コーティングや胃薬
アルギン酸ナトリウムは、特に食品のなめらかさや安定性を高めるために使われ、植物由来でアレルゲン性が低いため、ベジタリアンやアレルギー対策食品にも適しています。成分表示では「増粘剤(アルギン酸Na)」などと記載されていることが多いため、気になる方はチェックするとよいでしょう。
まとめ
アルギン酸ナトリウムは、海藻由来の天然成分として多くの加工食品に使用されている食品添加物であり、通常の使用量であれば高い安全性が確認されています。これまでの研究でも明確な発がん性は認められておらず、国際的な機関でも「摂取制限なし」と評価されています。
ただし、まれに過剰摂取によって下痢などの軽い副作用が起こる可能性があるため、バランスの取れた食事を意識することが大切です。成分表示を確認し、正しく理解して利用することが安心につながります。