流動パラフィンに毒性はある?食品添加物としての危険性・発がん性・食品一覧を解説

流動パラフィンは、石油由来の炭化水素を高純度に精製した物質で、滑沢剤や防湿剤として多くの食品に使用されている食品添加物です。
しかし、「毒性はあるの?」「発がん性の心配は?」といった疑問を持つ方も少なくありません。
本記事では、流動パラフィンの基本情報から、食品添加物としての使用目的、想定される危険性や安全性、そしてどんな食品に使われているかの一覧までをわかりやすく解説します。
流動パラフィンとは?【食品添加物としての成分・効果・用途】

流動パラフィンとは、石油由来の炭化水素を高純度に精製した液状の物質で、無色・無臭・無味の透明なオイルです。主に医薬品や化粧品、さらには食品添加物としても使用されており、その用途は多岐にわたります。食品添加物としては、果物やチーズなどの表面に塗布して乾燥や酸化を防ぎ、見た目の美しさや鮮度を保つために利用されます。ワックスのような役割を果たし、艶出しや保存性向上に寄与します。
流動パラフィンの成分は主に飽和炭化水素で構成されており、人体への吸収はほとんどないとされています。そのため、安全性が比較的高いと評価されており、食品用には医療・化粧品グレードの中でも特に高純度のものが使用されます。食品に使われる際は、摂取量がごく微量であるため健康リスクは非常に低いとされています。
流動パラフィンの効果としては、食品表面の保護、乾燥防止、光沢付与、酸化防止などがあり、用途はリンゴや柑橘類などの果物、チーズ、加工食品のコーティングなど多岐にわたります。これにより食品の鮮度や外観品質が保たれるため、商業的にも重要な食品添加物となっています。
流動パラフィンに毒性・危険性・アレルギーリスクはある?
通常、食品用や医療用の流動パラフィンは厳しい精製基準をクリアしており、その毒性は非常に低いと評価されています。摂取してもほとんど体内に吸収されず、排出されるため、安全性は高いとされています。
しかし一方で、流動パラフィンに関する危険性も完全にゼロではありません。低品質な工業用のものや、不適切に管理された製品には、不純物が残留している場合があり、長期にわたって摂取・接触すると、肝臓やリンパ系に悪影響を及ぼす可能性があるとする研究もあります。これが一部で健康被害の懸念として取り上げられる背景です。
また、アレルギー体質の人にとってはごく稀にアレルギー様の反応を引き起こすことも報告されています。アレルギー反応としては、皮膚のかゆみや赤み、軽度の炎症などがあり、特に化粧品や医薬品での外用使用時に注意が必要です。総じて、食品や医療で用いられるグレードの流動パラフィンは安全性が高いですが、用途に応じた品質の選別と、体質に合った使用が重要です。
流動パラフィンの発がん性
前述のとおり、食品や医療用途に使われるグレードの流動パラフィンは厳しい精製工程を経ており、不純物や有害成分がほとんど含まれていません。そのため、通常であれば流動パラフィンによる発がん性のリスクは極めて低いとされています。
しかし、低品質で精製度の低い流動パラフィンには、ポリサイクリックアロマティック炭化水素(PAHs)などの有害物質が含まれることがあり、これらは動物実験において発がん性を示すことが報告されています。
したがって、流通している製品の品質によってリスクが大きく異なり、医薬品や食品添加物として認可された高品質な流動パラフィンであれば、日常的な使用において発がん性の心配はほとんどありません。ただし、長期使用や多量摂取を避け、用途に応じた適切な製品選びが重要です。
流動パラフィンが使われている食品一覧

以下は、流動パラフィンが使われている代表的な食品一覧です。
- りんごやオレンジなどの果物
(収穫後の表面コーティング) - プロセスチーズ
(表面乾燥を防ぐ目的で使用) - チューインガム
(離型剤・光沢付与) - ドライフルーツ
(乾燥防止や防湿目的) - 干し柿・干し芋
(表面の保護とツヤ出し) - チョコレート
(製造工程での型抜き補助) - インスタント麺
(製造時の滑り助剤) - 粉末チーズ
(固まり防止として使用) - 粉末スープ
(凝固防止) - 飴やキャンディ
(吸湿防止・表面のツヤ出し)
これらの食品では、流動パラフィンはごく少量使用され、安全性が確保された範囲内で加工されています。
まとめ
流動パラフィンは、食品添加物として滑沢剤や防湿剤などに利用され、安全性が確保された高純度品であれば毒性や発がん性のリスクは極めて低いとされています。ただし、品質の低い製品や過剰摂取には注意が必要です。
果物やチューインガム、チーズなど日常的に摂取される食品にも使われているため、使用目的や添加理由を理解し、信頼できる食品を選ぶことが大切です。正しい知識を持つことで、安全に食品を選ぶ判断ができます。