ステアリン酸マグネシウムの危険性は?体に悪いのか・発がん性・副作用・腎臓への影響・食品一覧を解説

ステアリン酸マグネシウムは、サプリメントや医薬品、食品などに使用される食品添加物のひとつで、滑沢剤や固結防止剤として広く活用されています。

しかし、「体に悪いのか」「発がん性や副作用はあるのか」「腎臓への影響」といった不安を抱く方も少なくありません。

本記事では、ステアリン酸マグネシウムの基本情報から、考えられる危険性や安全性、使用されている食品の一覧まで、最新の知見をもとにわかりやすく解説します。

目次

ステアリン酸マグネシウムとは?【食品添加物としての原料・効果・用途】

ステアリン酸マグネシウムとは、ステアリン酸とマグネシウムが結合した化合物で、主に食品添加物や医薬品、サプリメントなどに幅広く使用されている成分です。原料は、動植物由来の脂肪酸(ステアリン酸)と無機ミネラルのマグネシウムで、これらを反応させて合成されます。白色の粉末状で無臭、無味であり、水にはほとんど溶けませんが、油には溶けやすいという性質を持ちます。

ステアリン酸マグネシウムの効果としては、錠剤やカプセルの製造時に滑りを良くする「滑沢剤」として働く点が挙げられます。これにより製造工程での成形性や充填性が向上し、製品の品質や安定性が保たれるのです。また、酸化防止の性質もあり、製品の劣化を防ぐ役割も果たします。

ステアリン酸マグネシウムの用途としては、サプリメントやビタミン剤、チューインガムなどの食品、また医薬品などで錠剤を均一に作るために活用されます。食品添加物としての使用量はごくわずかであり、最終製品中ではほとんど目立たない存在ですが、製造工程においては非常に重要な役割を担っています。

ステアリン酸マグネシウムの安全性

ステアリン酸マグネシウムの安全性は、国際的な機関や各国の食品衛生当局によって確認されています。食品添加物として使用される量は微量であり、消化管内でステアリン酸とマグネシウムに分解されるため、体に大きな負担を与えることはありません。

FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)でも、安全性に問題がないと評価されており、ADI(1日摂取許容量)も特に設定されていません。一般的な摂取量においては人体への悪影響は考えにくく、適切に使用されている限り、ステアリン酸マグネシウムの安全性は十分に確保されているとされています。

ステアリン酸マグネシウムの危険性・体に悪いのか・発がん性

ステアリン酸マグネシウムに対して、「体に悪いのでは?」と心配する方も少なくありません。実際には、通常の摂取量において危険性は極めて低いとされています。体内ではステアリン酸とマグネシウムに分解され、いずれも自然界に存在する成分であるため、体に蓄積したり毒性を示したりする可能性は基本的にありません

ただし、大量摂取や極端な過剰摂取が長期的に続いた場合、マグネシウムの過剰によって下痢や胃腸障害を引き起こす可能性があると報告されています。また、一部の研究でステアリン酸が高脂肪食と共に摂取された際に腸管バリア機能に影響を及ぼす可能性が示唆されていますが、これは高用量に限った話であり、通常の食品添加物レベルでは当てはまりません。

ステアリン酸マグネシウムの発がん性についても、現在までの研究では明確な根拠はなく、国際機関による発がん性分類などもされていません。したがって、一般的な使用量においてはステアリン酸マグネシウムが体に悪いという科学的証拠はなく、過剰摂取を避ければ危険性はほとんどないと考えられています。

ステアリン酸マグネシウムの過剰摂取による副作用・腎臓への影響

ステアリン酸マグネシウムの過剰摂取による影響が気になる方もいるでしょう。通常の摂取量では健康への影響はほとんどありませんが、極端に多く摂取した場合には、いくつかの副作用が報告されています

その一つが下痢や胃の不快感など、消化器系への軽度な影響です。これは、マグネシウムの生理作用によるもので、体が過剰なマグネシウムを排出しようとするために起こる現象です。また、過剰摂取が長期にわたると、体内のマグネシウム濃度が高まりすぎてしまい、電解質バランスの異常や血圧の低下、倦怠感などの副作用が現れる可能性もあります。

特に注意が必要なのは、腎臓に持病がある方です。健康な腎臓であればマグネシウムの排出は問題ありませんが、腎機能が低下している場合には、マグネシウムの排出が遅れ、体内に蓄積するリスクが高まります。これにより、高マグネシウム血症を引き起こし、悪心、嘔吐、筋力低下、不整脈などの症状が出ることもあります。

したがって、ステアリン酸マグネシウムの安全性は高いとされているものの、腎疾患を抱える方やサプリメントを常用する方は過剰摂取に注意し、医師や薬剤師に相談することが大切です。

ステアリン酸マグネシウムが使われている食品一覧

以下は、ステアリン酸マグネシウムが使われている代表的な食品一覧です。

  • 栄養補助食品(ビタミン・ミネラルサプリメント)
  • タブレット菓子(ラムネ、ミントタブレットなど)
  • チューインガム
  • 錠剤型の口臭予防製品
  • 加工チーズ
  • 一部の栄養強化食品
  • 特定保健用食品(トクホ)

これらの食品では、主に「固結防止剤」や「滑沢剤」として使用され、製品の品質保持や製造工程の安定化を目的としています。摂取量がごく微量であるため、一般的な食品からの摂取では健康リスクはほとんどないとされています。

まとめ

ステアリン酸マグネシウムは、食品やサプリメントに使用される一般的な食品添加物であり、通常の摂取量であれば体に悪い影響は少ないとされています。ただし、過剰摂取や特定の体質の人にとっては、副作用や腎臓への負担が懸念される場合があります。

発がん性については現在のところ明確な証拠は確認されていませんが、安全性への理解を深めるためにも、成分表示を確認し、摂取量には注意することが大切です。

田中
サイト管理人
年齢:26歳
性別:男性
居住地:大阪府

[ジェネリック医薬品の工場勤務]→[退職]→[WEB関連のフリーランス]。

自身が体を壊した経験から『オーガニック食品』や『オーガニック化粧品』に興味を持つ。現在はフリーランスとして活動中。
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